【9月17日】人間って素晴らしい!
- 公開日
- 2025/09/17
- 更新日
- 2025/09/17
校長のひとりごと
昨夜も世界陸上を見ていた私…。男子110mハードルに出場した村竹ラシッド選手の走り、そしてレース後のインタビューに感動しました。決勝まで進んだ村竹選手の結果は、メダル獲得まで0.06秒。わずか数十センチ。固唾を飲んで集中して見ていた私は、「あと少しだったのに…。本当に惜しい。でも、世界の舞台で世界5位!素晴らしい…」というような思いでした。自身はプロテニスプレーヤーを目指していたTBSの石井アナウンサーと村竹選手のインタビューのやりとりです。
「決勝での舞台。ご自身の感想を教えてください」
『何が足りなかったんだろうな…。何が今まで間違っていたんだろうな…。パリ(五輪)が終わってからの1年間、メダルをとるために必死で練習して…本当に何が足りなかったんだろうなって……………すみません…』
と言って、村竹選手は泣き崩れました。石井アナも涙し、村竹選手の肩に手をあてながら、
「この大きな舞台で、東京国立の舞台で、素晴らしい走りでした。たくさんの人が勇気をもらいました」
『こんなにたくさんの人に見守ってもらえて、ひとりのアスリートとして本当に幸せです。だからこそ、メダルをとって、みんなと一緒に喜びたかったんですけど…』
村竹選手の涙は止まりません。石井アナは村竹選手に寄り添い、腰をかがめ肩に手を当てながら、ゆっくりとこう言います。
「村竹選手にとって、この東京、この世界陸上、また、今後の大きな力になると思います。この舞台、改めてどんな舞台だったか、聞かせてください」
『この長い長い陸上のキャリアの中で東京世界陸上っていう自分の国で世界陸上が開催されることは本当に嬉しく思ってました。出場が決まった当初は、出場してメダル争いまでできる実力をつけれるなんて思ってもいなかったし、自分が決勝の舞台に立てるとも思っていませんでした。自分がファイナリストになれたことは誇りに思いたいですし、自分の足がもつ限りは、何年かかってもメダルをとりたいです』
「村竹選手は、本当に日本の宝です。引き続き頑張ってください!」
村竹選手は『ありがとうございました』と言い、音声が途絶えたあとも石井アナと一緒に泣いていました。
村竹選手の涙、その姿から、とてつもない悔しさ、応援してくれたたくさんの人への感謝を忘れない気持ち、そしてきっと誰もまねできないような苦しく凄まじい練習をしたことが伝わってきました。本気でメダルをとるために練習してきたからこその「涙」だったと思います。そして、その思いを察し、涙しながら寄り添う石井アナの優しさや配慮に、心から感動しました。二人のあたたかな人間性にも感動しました。
その後村竹選手は、日の丸を背負い、スタンドに向かって両手を合わせ、「ごめんなさい」と応援してくれた人々への感謝とその期待に応えられなかったことへの悔しさが表れたものだと思います。さらに、肩にかけていた日の丸の旗を大切そうに丁寧に畳みながら歩き始めました。この行動は、国旗に対する深い敬意とアスリートとしての真摯な姿勢が現れていると反響を呼んでいます。なんとも素晴らしい姿勢です。改めて思います…
人間って素晴らしい! 頑張ることは素晴らしい! 一生懸命はかっこいい!…
心からそう思いました。村竹選手、世界5位! 本当に素晴らしい! 立派です! きっとこれから、ますます活躍されると信じています。感動をありがとうございました!
(ひとりごと第1075号)