【1月30日】朝顔
- 公開日
- 2026/01/30
- 更新日
- 2026/01/30
校長のひとりごと
年が明け、明日で1月も終わります。時が過ぎるのは早いなぁと実感する毎日です。
さて、致知出版社『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』の中にある作家 五木寛之さんの「朝顔の花が咲く条件」からです。
いまは「人生百年時代」と盛んに言われていますが、人がどんなに長く生きられるようになっても、人生というのは一日一日、一時間、一時間、一刹那の積み重ねですからね。
私もいつの頃からか、長いスパンで考えて思い煩(わずら)うのはやめて、きょう一日を丁寧に生きようと考えるようになりました。朝起きると、きょうも何とか目を覚ますことができたと感謝して、夜にはあぁきょうも一日終わったと安堵して眠りに就く。もちろん、穏やかで気持ちのよい日もあれば、ため息ばかりの重苦しい日もあります。しかし、どんな日もかけがえのないきょう一日と受け止めて、その日その日を味わい、丁寧に生きることが大切だと感じています。最近のニュースを見ていると、世の中がどんどん悪くなっていくように感じられてなりません。ただ、人間というのは希望がなくても生きられる。真っ暗な中でも生きていくんです。
朝顔の花は、朝の光を受けて咲くものだと思われていました。けれども、ある植物学者が朝顔のつぼみに24時間光を当てても花は咲かなかったそうです。朝顔の花が咲くには、朝の光に当たる前に、夜の冷気と闇に包まれる時間が不可欠なんです。
人間も同じで、明るい光を見ても、その明るさは感じにくい。闇の中で光を見るからこそ、それを光明と感じて感動し、生きる意欲も生まれてくるのです。暗くて重い現実の中にも、明るく瑞々しい、小さくても微かな光は必ずあります。そして、どちらを見つめるかで生き方は大きく変わってくる。
世の中に様々な風が吹き荒れていますが、何とかきょうまで生きていること。そのことの価値を認めて、一日一日を大切に積み重ねていきたいものです。
苦しいこと、つらいことがあるから、小さなことにも幸せを感じることができます。たくさんの失敗や壁の先にこそ、成長や成功があります。恵まれすぎていると、本当の幸せが何のか気づくこともないかもしれません。いや、幸せなのに幸せを感じることも、愚痴や不満ばかりになるかもしれません。考えてみれば、今、この瞬間生きている…それだけでもとてつもない幸せです。数えきれない「おかげ」によってこうして仕事をすることもできます。ひとりごとでも私は言い続けています。たくさんの「ひと」「もの」「こと」への感謝と敬意を忘れてはいけないと。夜の冷気と闇を乗り越えてきれいに咲く朝顔に感動できる人でありたい。人によっては、そんなことに…と思うような小さなことにも感動したり感謝したりできる豊かな感性をもっていたい。感性豊かな子どもたちに関わることができる私たち大人が、そんな豊かな感性をもつ人でありたい…と、私は思っています。
今日私は、熊本への出張です。かけがえのない出会いをさせていただいた先生方と、たくさんのお話をさせていただいて、かけがえのない学びをして戻りたいと思います。
(ひとりごと第1156号)