最近の記事はこちらメニュー

最近の記事はこちら

【5月22日】見た目

公開日
2025/05/22
更新日
2025/05/22

校長のひとりごと

 政治・教育ジャーナリスト 清水克彦さんの著書『知って得する、すごい法則77』の「メラビアンの法則~非言語の重要性」からです。


 以前、『人は見た目が9割』という新書がベストセラーになったことがあります。2005年から2006年あたりにかけてのことです。対人コミュニケーションの大半を左右しているのは、話の内容ではなく、顔つきや目つき、それに仕草だとして、非言語コミュニケーションの重要性を述べた書です。この考え方は、1971年に、アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが提唱した、いわゆる「メラビアンの法則」を基にしています。この法則は、対人コミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で影響を与えるというものです。

 当時、後輩の記者には話し方のコツを指南し、非常勤講師として大学の教壇に立って学生に論理的な話し方を教えていた筆者には、かなりの驚きだったことを記憶しています。

 相手が受ける印象を大きく左右する要素として、顔の表情や服装などの見た目、それに視線や仕草が最も大事だとする「メラビアンの法則」は、特に第一印象を良くするうえで気に留めておくべき法則だと思います。

 実際、在京放送局で、就職やアルバイトを希望する学生の面接や、レポーターや番組スタッフを希望する人たちのオーディションを数多く実施してきた筆者も、考えてみれば、見た目や表情、視線や姿勢、それに、声の張りやトーン、話すスピードなど、話の内容以外のところで、「この子はいける」とか、「この人はイマイチ」などと判断してきました。商談で初対面の相手と会う場合も、「見た目」で「この人は信用できそうか」などと値踏みしてきた感があります。

「メラビアンの法則」から学ぶべきこと

●清涼感のある身だしなみを心がける

●相手としっかり目を合わせ、適切なタイミングで相づちを打つ

●口角を上げて明るい表情を保ち、背筋を伸ばすことを意識する

…(後略)…


 『人は見た目が9割』の本は、福岡県久留米市生まれの武内一郎さんという方が書かれたものです(私の本棚にも並んでいます)。この本は11章から構成されるもので「人は見た目で判断する」「仕草の法則」「マンガの伝達力」「色と匂いに出でにけり」「良い間、悪い間、抜けてる間」「トイレの距離、恋愛の距離」などの章に分かれています。もし、興味のある方は一度読んでいただくと面白いかもしれません。

 もちろん、これは“見た目が9割”ですから、見た目がすべてだと言っているわけではありません。ただ、第一印象の善し悪しが、人付き合いにおいて、社会人としてとても大切になってくることがよくあるということを教えてくれています。

 確かに私自身も初めて出会う人が笑顔で挨拶してくれたり、その姿勢や話しぶりで「いい人だな」とか、「明るく親しみやすそうな方だな」「しっかりしてそうだな…」などと“見た目”で判断していることが多々あります。もちろん、長く付き合っていけば、「第一印象と違って…」ということもあります。“見た目”がすべてではないにしろ、私自身は最低限、相手に不快な思いをさせないような身だしなみであったり、挨拶や話し方、姿勢などには気を配らなければと思っています(まだまだできてませんので…(^_^;))。

  清水さんの「メラビアンの法則~非言語の重要性」の文章の最後に、次のようなことが書かれています。

「ある部分が突出していることで、その印象に引きずられてしまう心理を『ハロー効果』と言いますが、重要な話に入る前に、悪い部分が目立ってしまうと、肝心の話の内容まで印象が悪くなってしまうと唱えているのです」…

 皆さんは、どう思われますか?


(ひとりごと 第1021号)