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【7月10日】感謝を形に…

公開日
2025/07/10
更新日
2025/07/10

校長のひとりごと

  永松茂久さん著『縁-en-』の「感謝を形にする人に、縁は集まる」からです。


◆身近な人に「ありがとう」を伝えていますか?

 自然と縁が集まる人、いつも縁に恵まれている人には、ある共通点があります。それは感謝を形にできていることなのです。

 感謝。これはできているように思えて、それをしっかりとした形にして相手に伝えるのは難しいものです。「思っているだけ」では、残念ながら相手にはほとんど伝わりません。感謝は行動という形に変えてこそ、はじめてその価値を発揮します。たとえば「ありがとう」と口にする。手紙を書く。ちょっとしたプレゼントを贈る。相手が困っているときに手を差し伸べる。会いに行く。メッセージを送る。こうしたシンプルな行動の一つひとつは必ず相手の心に深く届きます。特に日常の中で感謝を言葉にする習慣は、とても大切です。

「いつも助けてくれてありがとう」「あなたがいてくれるからがんばれるよ」

 たったこれだけでも受けとった相手の心は温かくなり、あなたとの絆はより強くなります。人は誰でも、「認められたい」「役に立ちたい」という気持ちを持っています。なにげないことに対しても感謝の言葉をもらうと、心が温かくなり、「また力になりたい」と思います。だから感謝を忘れない人のまわりには、自然と人が集まるのです。

◆私たちは「おかげさま」との縁で生かされている

 いま、あなたの前にあるものを見渡してください。たとえばスマートフォンやテレビ、テーブルや洋服。住んでいる家。食べている食事。本を読むためにつけた机の上の照明。よくよく見渡してみると、私たちは誰かがつくってくれたものに囲まれて生きています。私たちの日常は、直接は会ったことのない「おかげさま」との縁によってできているのです。しかし忙しさや当たり前になりすぎた日常の中で、人はついこの「誰かのおかげ」という間隔を忘れがちです。心のどこかでそのことは理解していながらも、私たちはつい、日々の忙しさの中で「当たり前」に慣れてしまいがちになってしまうのです。いま、こうしてたくさんのモノに囲まれて快適に過ごすことができるのも、家族がいるのも、友人がいるのも、職場があるのも、健康な身体でいられるのも、よくよく考えると、当たり前のことではありません。「いま」というこの瞬間のすべては、私たちのために誰かが関わってくれたからこそ成り立っているのです。

…(後略)…


 「感謝」という言葉を漢字から読み解いていったとき、次のようになるとよくいわれます。

 まず「謝」という文字は「言」という字と「射(い)る」という文字でできている。つまり「謝」という文字は、「言葉を射る」=「言葉を発する」ことで、相手に何かしらの意思を言葉で伝えるという意味を持っている。そして「感」という字は「感じる、心が深く(強く)動く」ということ。すなわち「感謝」とは「相手に対して心が強く動き、その有り難いという気持ちを言葉にして伝えること」ということになる。

 これについては、ずいぶん前のひとりごとにも載せたことがありますし、子どもたちにも伝えたことがあります。やはり、感謝の気持ちを「形」にしていくことがまずは大事なのだと思います。それと同時に「おかげ」「おかげさま」という気持ちを常に持って日々過ごすこと。そういう気持ちや姿勢が、かけがえのない出会いや縁をより深いものにしていくのだと思います。


(ひとりごと 第1056号)