学校日記

【7月8日】学ぶとは?

公開日
2020/07/08
更新日
2020/07/08

Kのつぶやき

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 ようやく雨も上がり、子ども達が元気に登校してくれています。大野城市では、今回大きな被害等はなかったかとは思いますが、今後も十分に気をつけていきたいと思います。
 今回の大雨の被害に遭われた方々に対しましては、心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。一日も早い復興を願います・・・
 さて、写真は、左が3年1組理科(呑山教諭)の「仕事」の授業、右が3年2組社会(楢崎主幹教諭)の「世界恐慌のはじまり」の授業です。子ども達は熱心に取り組んでいました。

 テレビで様々な社会問題等を、とてもわかりやすく解説してくれるジャーナリストの池上彰さんの著書「なんのために学ぶのか」の中に、次のような内容のことが書かれていました。

 フィリピンのスラム街に住む子ども達に出前授業をしようとしている若者を池上さんが取材したときの話。
 首都マニラ郊外には、ゴミ捨て場のすぐそばにスラム街がある。子ども達は学校に行かず、一日中ゴミ捨て場で金目のものを探している。空き缶や空き瓶を拾い集めて業者に売ると一日10円(日本円)ぐらいにはなり、それが大変貴重なので誰も学校へは行かない。出前授業をしようとしている若者が、「学校へ行きましょう」と言っても誰も行かないので、リヤカーに教科書や参考書を積みスラム街に行き、子ども達に勉強を教え始める。それでも、なかなか子どもが来ないので、「私の授業を聞いてくれたら、ご褒美に飴やお菓子をあげます」と言うと、少しずつ子ども達が集まってくる。そのうち勉強が好きになる子も増えてきて、ついには学校の先生になった人も出てくる。
 学校の先生になったその人に「勉強していなかったら今頃は?」と聞くと、「きっとスラム街のギャングの抗争事件で殺されていたと思う」と答えた。その人は、出前授業のおかげで勉強し学校の先生になった。さらに、「あなたにとって学ぶとは?」と聞くと、「それは決して人から盗まれることのない財産です」という答えが返ってくる。スラム街で生まれ育った人なので、金目のものを持っていればすぐに盗られるし、場合によっては命まで奪われる、そんな状況だからこその言葉だと池上さんは気付く。

 「学ぶこと=盗まれない財産」という考えは、私たちにはなかなか出てこない言葉だと思います。もっと言えば「学ぶことは生きること」なのだと思います。私自身も、「勉強なんてイヤだ」「こんなものなくなればいいのに」なんてことを思った子ども時代がありました。今では逆に「もっと勉強しておけば」「もっと勉強しなければ」と思うことが多々あります。ただ「勉強しなさい!」ではなく、「学ぶことの大切さ」を私たち大人はもっとしっかりと子ども達に伝えていくことも必要だと思います。そして、私たち教師は1時間1時間の授業を大切に、子ども達の「学び」が深まっていくよう、これからも努力していきたいと思います。