【8月21日】努力の天才
- 公開日
- 2020/08/21
- 更新日
- 2020/08/21
つぶやき
昨日、棋士の藤井聡太さん(18歳)が将棋の王位戦で4連勝し、史上最年少二冠を達成したニュースが飛び込んできました。本当に強い!と将棋のよくわからない私でさえ思います。前回の「棋聖戦」のときには、藤井棋士が打った手が、最新のAI(人工知能)が6億手を読みようやく最善と判断した「AI超え」の手だと話題になりました。対局後、ベテラン棋士の高野6段は、「私の常識では評価できない。何が起きたかわからないほどの強さ」と語ったそうです。次から次に「史上最年少」の記録を打ち立てる藤井棋士は、いつも冷静で、対局後のインタビューにおいても18歳とは思えない落ち着いたコメントをしています。ネットニュースにこんな話が載っていました。
同門(同じ師匠をもつ)の中澤女流初段(24歳)が小学5年生のとき、幼稚園に通っていた藤井棋士と将棋教室の合宿で一緒になったことがあったそうです。中澤初段は、
「当時から詰め将棋を解くスピードが尋常ではなかった。100問あって、小5の私がまだ20問も残っていたのに、兄弟子(藤井棋士)はとっくに解けていた。“えっ”という感じですよ。その後、研修会で顔を合わせるようになりましたが、その時も、ノートに詰め将棋を書いて見せて回っていました。“感想教えて”と言われても、難しくて全然解けなかった」
と笑って話したそうです。さらに、
「(藤井棋士が)小学生当時は、大の負けず嫌いで、負けると泣き出しちゃったり、黙りこくったり。相手が“どうすればいい?”と私のところに相談に来るほど(負けず嫌い)。私が高校生くらいのときには追い越されていました。」
と話していたそうです。藤井棋士が、小さいときからとてつもなく「負けず嫌い」で、とてつもなく「将棋好きで研究熱心」だったことがうかがえます。
藤井棋士のことを多くの素晴らしい棋士たちが、「序盤の研究、分析の深さを感じる」「研究量と発想力の両方が備わっている」「局面の認識能力の高さがある」等と言っています。また、藤井棋士はAIソフトを活用するなどして、ひたすら研究し、日々努力し続けているそうです。さらに、多くの対局の中で学び、課題を見つけ、改善の努力を惜しまないと言われています。
藤井棋士の強さの原点は「負けたくない」「強くなりたい」「さらなる高みを目指したい」という心持ちと、誰にも増しての「努力」にあるのだと思います。かつて、イチロー選手を単なる「天才」ではなく「努力の天才」と呼んだ人がいたように、やはり藤井棋士も「努力の天才」なのだと改めて思いました。これからの更なる活躍が楽しみです。