学校日記

【10月7日】私の母[ep4]

公開日
2020/10/07
更新日
2020/10/07

Kのつぶやき

 (10月6日の「ひとりごと」の続きです)
 母の一周忌が終わり、大切な合唱の後半の取組に一緒にいてあげられなかった私は申し訳ない気持ちで学校へ行きました。合唱コンクールは明後日に迫っていました。しかし、子ども達は私をあたたかく迎えてくれました。私のクラスの子ども達の1週間分の生活ノートには、私に対するたくさんのメッセージが書かれていました。
◆先生は、コンクール本番来られないかもしれないけど、先生の「心」に届くような歌を歌えたらいいなと思っています。
◆先生の心を温めてあげられるような歌をつくりあげます。
◆先生の暗い気持ちを一気に吹き飛ばして明るい気持ちになれるくらい歌いたいです。
◆先生が悲しくなるような、後悔するような合唱は絶対につくりません。お願いですから、先生は、自分自身を責めるようなことなどしないでください。そのためにも頑張りますので、それだけはやめてください。合唱のことを通し、たくさん先生から学びました。それだけで十分だと思います。先生から学んだことを生かし、素晴らしい合唱をつくりあげます。絶対に!!
 職員室で子ども達の生活ノートを読みながら涙が止まらなくなりました。その日の午後からの合唱練習に私は久しぶりに入りました。教室に行くと、合唱隊形に並び静かに私を待つ子ども達がいました。すると、実行委員の子が、
 「先生が休まれている間、私達のクラスの練習はなかなかうまくいきませんでした。ケンカもしました。でも、話し合いもして、他の先生方にも入ってもらい、みんなの意識も変わり真剣に練習に取り組むようになりました。まだまだ不十分だけど、今から先生に私たちの合唱を聴いてほしいです。先生のために心を込めて歌うので聴いてください!」
 子ども達の顔は真剣そのもの、そして全身で私に伝えようとしていることがわかる合唱でした。私は感動してまた涙が溢れました。そして、子ども達への感謝の気持ちでいっぱいになりました。2日後、合唱コンクールは無事終わりました。私のクラスの合唱は、何の賞もとれませんでしたが、私にとっては子ども達の愛が詰まった最高の合唱でした。
 母のあのときの言葉が蘇りました。
 「素敵な子ども達やね〜。あんた、こんなに素敵な子ども達に出会えるなんて幸せやね!子ども達に感謝しないとね!」
 子ども達は社会の「宝」です。子どもって本当にすごいです。子どもって本当に優しいです。子どもって本当に素晴らしいです。母はそのことをわかっていました。私は、いつも子ども達に「感謝」です。だからこそ、子ども達を私たち大人が大きな愛で包み、支え励まし、その無限の可能性を伸ばしてあげたいと思うのです。・・・(ep5に続く)