【11月27日】一意専心
- 公開日
- 2020/11/27
- 更新日
- 2020/11/27
Kのつぶやき
トップページにあるように、第39代生徒会4役が決まりました。残念ながら希望が叶わなかった子ども達には、立候補したその勇気とやる気に心から拍手を送りたいと思います。これからもそのやる気を持ち続けて、チャレンジし続けてほしいと思います。また、今回当選した6名の役員の皆さんは、彼らの思いも背負っていることをしっかりと自覚し、謙虚に精一杯、学校のリーダーとして活躍してもらいたいと思います。
さて、話は変わりますが・・・
今日、私は福岡県中学校長会の研修でした。といっても、コロナ渦ということで、オンラインによる研修を校長室のパソコンを通して受講しました。その中で、宮大工の小川三夫さんという方の講演を聞くことができました。小川さんは、高校生のときに見た法隆寺五重塔に感激し、法隆寺宮大工の西岡常一さんの弟子になろうと門をたたきます。当初は断られ3年以上かかって弟子となり、修行されました。1977年に、厳しい徒弟制を基礎とした寺社建築専門の建設会社「鵤工舎(いかるがこうしゃ)」を設立し、弟子の育成と、全国各地の寺院の改修、新築にあたられたそうです。そんな小川さんの話の一部を紹介します。
◆入社してすぐの仕事は、食事の用意と掃除から。その中でも掃除の仕方を見ていると、その人の仕事に対する姿勢や性格がよくわかる。
◆整理整頓とは、目に見えるものだけではない。頭の中の整理整頓が大切なのである。限られた時間の中で、何をどうするとよりよくなるのかを常に考えることが大切である。
◆器用とか不器用があるが必ずしも器用だから宮大工で成功するわけではない。器用な子は自分の器用さにおぼれ、努力しない場合もある。逆に、不器用がゆえに、誰よりも努力し克服していく。10年後には追いつく。だから、不器用でもよい。
◆弟子を育てるというのは、丁寧に教えることではない。教えすぎると甘えが出る。私はほとんど教えない。学ぶものだと思っている。だからこそ、学ぶ雰囲気を弟子達がつくるようにしむけることも大切である。
◆無駄をさせ、無駄に気づかせ、無駄をなくしていくようにさせる。
◆「知識」だけではダメ。生きた「知恵」と「技(わざ)」が何より大切である。
◆弟子達は皆、大部屋での生活である。もちろん辞めていく者もたくさんいる。しかし、その中で、皆と同じ目標をもち、同じ苦しみを味わうことによって、相手のことを考え、思いやりを学ぶことができる。優しさと思いやりがなければ、長い時間、一緒に過ごすことはできない。
◆宮大工にとって何より大切なことは真摯(しんし)なものづくりをすることである。また、執念でものづくりをする。嘘偽りのない魂のこもったものづくりをしなければ、法隆寺のように1000年以上持つようなものはつくれない。
◆木にはそれぞれ個性がある。その木を見て、その木の心を見る。ふぞろいの木をうまく組み合わせることで、この世にただ一つしかない最高に美しいものが生まれる。
いかがですか?宮大工のプロフェッショナルだからこその深い言葉だと思いませんか?小川さんは、話の中で言われた「一意専心(他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中すること)」の姿勢を持ち続け、超一流の宮大工になられたということがよくわかりました。小川さんの今日のお話の多くは、学校や社会においても心に留めておきたい大切なことだと思います。やはり、何かを「極めた」方の言葉は、本当に力があると思った今日の研修でした。