学校日記

【12月15日】今年の漢字

公開日
2020/12/15
更新日
2020/12/15

Kのつぶやき

 例年12月12日(漢字の日)頃に清水寺で、一般投票によって決定する「今年の漢字」が、昨日14日に発表されました。日本漢字検定協会の理事長が、中身が見えないようにして封筒に入れて持ってくる「今年の漢字」を、京都清水寺の森清範(もり せいはん)貫主(かんす:清水寺最上位)は、その場で初めて見て、力強くしたためるのです。今年は、応募総数208,025票の中で、28,401票を集めた「密」でした。
 ちなみに、ここ五年間を振り返ると、安全保障関連法案の国論が二分したり、建築偽装などが発覚し暮らしの安全が揺らいだりした2015年は「安」、リオオリンピックの金メダルラッシュや政治とお金の問題が浮上した2016年は「金」、2017年は、北朝鮮のミサイル問題、九州北部豪雨などを反映して「北」、西日本豪雨災害や北海道地震が起きた2018年は「災」、そして新しい年号「令和」となった昨年は「令」でした。たった一文字とはいえ、それぞれに当時を想起させる不思議な力があります。今年は「密」。漢字協会は、選ばれた理由について次のようなことを挙げています。
◆新型コロナウイルスの感染拡大で「3密」ということばが使われ、多くの人が常に「密」を意識しながら行動するようなったこと
◆離れていてもオンラインなどで大切な人との関係が「密」接になったこと
◆政界や芸能界では内「密」や秘「密」が多かったこと

 森貫主は、この漢字「密」について次のように述べています。
『密という意味には、親しむという意味が込められている。離れるという意味でなく、物理的な離れるではありますけども、心の中のつながりというものは、密接な人々の関わりがなければならない。お互いに絆で結び合い、親密に語り合い接していく中に、学問も芸術も文化も発展していくもの。物理的な離れ方はあるが、心としてはさらにしっかりとしたつながりというものを持っていきたい。来年はいい年でありますように祈念いたします。』

 今年は、1位「密」、2位「禍」、3位「病」、4位「新」、・・・と続きます。新型コロナウィルスに関連した言葉が並んでいるのです。「密」という漢字は今年、「密を避けるように!」と言われ続け、マイナスのイメージでとらえられることも多かったのではないのでしょうか?しかし森貫主は、「密」には「親しむ」や「親しい」という意味がある。物理的には離れることも必要ですが、心のつながりは密接に、しっかりともちつづけていくことが大切であることを述べてあるのだと思います。
 今までとは違う生活を強いられ、制限・制約が多くなったことで、私たちは改めて当たり前のありがたさを知り、人とのつながりこそが非常に重要であることを痛感したのではないかと思います。今こそ、心と心のつながりは、これまで以上に「密」にしたいと思う私です。