学校日記

【2月22日】一人の人間として

公開日
2021/02/22
更新日
2021/02/22

Kのつぶやき

 昨日行われた競泳の東京都オープン50mバタフライで、池江璃花子選手が好タイムを出し優勝しました。池江選手はレース後、「決勝で1番になり、タイムもついてきたのは今後に向けてすごく自信になる」と語っていたそうです。東京五輪について聞かれると、「アスリートとして狙っているところはみんな一緒だと思う。それに向けて全力で自分は頑張ること。今の最大の目標は24年(パリ五輪)。そこに向け記録を伸ばしていきたい」と話し、慎重な姿勢だったとのこと。しかし、4月に実施される東京五輪代表選考会を兼ねる日本選手権にも出場する方向だということが報道されていました。
 白血病公表後、「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです。三日間以上ご飯も食べれてない日が続いてます。でも負けたくない。」と言っていた池江選手、本当にここまで復活されているとは・・・その精神力と努力にただ頭が下がります。

 そしてもう一人、2月20日にメルボルンで行われた全豪オープンテニス女子シングルスでは、大坂なおみ選手が見事優勝しました。これで、四大大会制覇は4度目となります。また、昨年8月から4大大会にまたがる連勝を21試合に伸ばしました。優勝した大坂選手は、
「私のチームに感謝したい。(新型コロナウィルス禍での)隔離生活でも協力して支えてくれた。チームは家族同然。このトロフィーはみんなのもの。また四大大会で優勝できて、最高の経験になった。」
と感謝の気持ちを語っていました。大坂選手の素晴らしさは、常に周りへの感謝を忘れないことです。そして、「相手が誰かにかかわらず簡単に勝てると思ってはいけないというのが、私にとっての相手へのリスペクトなんです。」という言葉にもあるように、対戦する相手選手へのリスペクト(相手への尊敬や思いやり)や気遣いを常にもっていることだと思います。そんな感謝の気持ちやリスペクト、計り知れない努力こそが、現在の大坂選手の強さの秘密だと私は思っています。
 小島慶子さん[エッセイスト]のコメントが、西日本新聞に載っていました。(一部抜粋)

 大坂選手の言動からは、トップアスリートの立場を活かし、弱い立場の人たちの声を届けようとの意思を感じる。こうした姿は、日本に二つの意味でよい影響を与えている。
 一つは、注目される機会に恵まれた人が、その「特権」をどう用いたらいいか考える際の良いモデルになり得る。大坂選手は女性、黒人という個人的な要素と、社会で起きている問題を掛け合わせ「人種差別や性差別にノー」というメッセージを鮮明に力むことなく出した。同時に世界レベルのプレーや、朗(ほが)らかな人柄でスポーツの素晴らしさを発信している。スポーツは生きる喜びの表現であり、差別や暴力は生への攻撃。プレーと人権擁護を地続きのものとして自然体に体現する姿は、同調圧力の強い日本で声を上げづらい人にとってヒントになるはずだ。
 もう一つは、英語を母語とする大坂選手が繰り返しメディアに出ることは、「日本語が流ちょうな人だけが日本人ではない」という当然の事実を浸透させてくれる。日本には「日本語の上手な人こそ日本人」という思い込みによって排除されている人たちがたくさんいる。だからこそ、大坂選手の活躍はとても心強いし、期待している。

 それぞれにとらえ方は様々だとは思いますが、何より、大坂選手の活躍は、私たち日本人にとっても誇りであるし、本当に喜ばしいことです。
 結果を出すだけでなく、どう生きるか、どのように生きるかということがとても大切であると、池江選手や大坂選手の姿が教えてくれます。