【4月14日】志をもつこと
- 公開日
- 2021/04/14
- 更新日
- 2021/04/15
つぶやき
熊本地震の前震の発生から今日で丸5年となります。5年前の午後9時26分にマグニチュード6.5で、その28時間後の4月16日午前1時25分には、マグニチュード7.3の本震が発生しました。益城町では前震・本震ともに震度7を観測し、その後半年の間に余震が4千回を超えるほどでした。震災関連死の方も含めると熊本・大分両県を合わせて、276人の方が亡くなられました。実は、現在も益城町など9市町では、150世帯418人が仮住まいを続けられているそうです。以前、東日本大震災についてのひとりごとでも言いましたが、決して震災は終わっていません。今日という日が一生消えることはなく、悲しい思いをされて射る方がたくさんいらっしゃることを私たちは忘れてはいけません。被災された皆様に改めて、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
東日本大震災から10年、熊本地震から5年・・・私たちは「未曾有」の自然災害を幾度となく経験しました。そして、今、新型コロナウィルスとの闘いが続いています。今こそ、みんなが力を合わせ、「持続可能な社会」へ向けて、この危機を乗り越えていかなければなりません。
本年度の御陵中学校の教育目標は、
『自律貢献〜志をもち、やり抜く力と豊かな人間性を身につけ、地域・社会に貢献できる生徒の育成〜』としました。自律貢献のあとの「夢の実現へ向けて」を「志をもち」に本年度は変更しました。私は「夢」という言葉も大変好きなのですが、ややもすると「夢」が「自分本位の夢」である場合があります。これからの時代に必要なことは「自分本位」でなく「自分事」として様々な物事をとらえることが大切です。10年後の地域、社会、世界を考えて行動することだと思うのです。「SDGs」のことも以前の学校便りやひとりごとでも伝えてきましたが、自然災害だけでなくもはや「地球」が悲鳴をあげています。世界には解決しなければならない問題が山積みなのです。そう考えたときに「志をもつ」ということが大切なのだと考えました。
『未来を拓く君たちへ』という本に、「志」について次のように書かれています。
「志とは、与えられた人生において、己のためだけでなく、多くの人々のために、そして、世の中のために、大切な何かを成し遂げようとする決意である。」
また、孫正義氏(ソフトバンク株式会社代表取締役会長)はこう言っています。
「夢と志は違います。夢は漠然とした個人の願望であり、志は個々人の願望を超えて多くの人々の夢を叶えようとする気概(きがい:困難に立ち向かっていく強い意志)です。夢はこころよい願望だが、志は厳しい未来への挑戦です。夢を持つなんて程度で終わらずに志を高く持たないといけない。」
私たち学校の役割は、「持続可能な社会の創り手を育てること」です。新学習指導要領にも明記されています。ただ、知識を詰め込めばいいのではないのです。大切なことは,社会や世界の現状を自分との関わりから「自分事」として捉えさせ,それを踏まえたうえで問題意識をもたせることです。そして,仲間とともにさまざまな問題意識を共有し,整理する中から共通の学習問題としてまとめ,その解決に向けて,いろいろな方向から学び合い,課題克服への手立てを探り,実践に取り組み,その体験や成果をもとに発信させていくことこそが重要なのです。
だからこそ、学校だけの力ではそのことはなし得ません。学校と家庭、そして地域(社会)が目標を共有し、しっかりと連携し取り組んでいかなければなりません。
私たち教師も、「志」をしっかりともち、常に学び続け、子ども達と共に常に成長し続けたいと思います。そして、子ども達が「志」をもち、生き生きと毎日を生き抜き、人々のため、社会のため、世界のために活躍できるようしっかりと支援していきたいと思います。