【5月17日】親の心得
- 公開日
- 2021/05/17
- 更新日
- 2021/05/17
つぶやき
土曜日からの臨時休業等、大変ご心配をおかけしております。一日も早い新型コロナウイルスの収束を願うばかりです。しかし、まだまだ予断を許さない感染状況ですので、今後も感染予防対策をとりながら、制限のある教育活動となります。各ご家庭におきましても、引き続き感染予防対策のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
さて、中山芳一さんの著書『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』の中に親の子どもへの関わり方について書かれている部分があります。
みなさんは秩父神社(埼玉県)にある『親の心得(薗田稔氏昨)』をご存じでしょうか?(※写真)
私たちも含めて、子ども時代を経ていない大人は存在しません。人間はいきなり大人になるわけではありませんから・・・。子どもから大人になっていくのです。さらに、一言で「子ども」といっても、乳児から幼児、児童や青年といった時期があります。こうした時期にはそれぞれに発達の特徴があり、特長に対応した育て方が求められるわけです。それをとてもわかりやすく端的に伝えてくれているのが、この『親の心得』といえるでしょう。
「赤子」のときには、しっかり抱きしめて肌のぬくもりを伝えてあげてほしい。「幼児」になると赤ん坊のときほど肌と肌との関係はなくてもいいけど、それでもそばにいて安心感を与えてほしい。「子供(小学生)」になると子ども同士の仲間関係を大切にしつつ、必要なときには助けてあげてほしい。そして、「若者(中学生以降)」になるとますます自立してくるため、その自立を促しつつも関心の糸は切らずに持ってあげてほしい。こういったメッセージを伝えてくれているのではないでしょうか。
このように子どもの時期を赤子から若者まで4つに分けていますが、これらを「発達段階」とか「ライフステージ」と呼んでいます。もちろん発達段階は若者以降の大人にもあるものです。いうなれば「人生(ライフ)」の「舞台(ステージ)」がそれぞれの時期にあるということですね。人間にも育っていく上での「段階」があるわけです。そうなるとこの段階にはそれぞれに特長があり、それぞれの特長に対応したサポートができれば適切なサポートとなり得ます。逆に、特長に対応していないサポートならば不適切なサポートになってしますでしょう。
子育てには正解がない(または正解がたくさんある)ため、何が適切で何が不適切かということはとても難しいことですけどね・・・。
このあと、著者は、子ども達の発達段階の特長を知ることが、子ども達への適切なサポートしていく上での出発点になることを述べています。中学生の時期は一般的に思春期でもあり、子ども達が肉体的・精神的にも大きく成長する時期であること、さらには、そういった時期だからこそ、精神的に不安定になることも往々にしてあるのだと思います。ですから、子どもとの距離感は難しいのかもしれません。それぞれの子ども達によってももちろん違うので、近すぎず遠すぎずの距離をとりながら、大人がサポートしていくことが大事なのだと思います。
子どもたちに「非認知能力」を身につけさせるには、大人が言葉だけで伝えたり、一方的に教え込むことは効果的ではありません。大人が、環境づくりや子ども達が自ら「やりたい!」と思うプログラム等を仕組んでいくことが大切だということです。
しかし、そう言いながらもやはり「正解」はないので、一番大切なことは、愛情をもって子ども達に関わること。そして、何より大人自身が、柔軟性と謙虚さ、そして学ぶ意欲をもって「非認知能力」を常に高めていくことが大事なのだと私は思います。