学校日記

【7月15日】人間性

公開日
2021/07/15
更新日
2021/07/15

Kのつぶやき

 今日も西日本新聞からです。「春秋」をそのまま載せます。

 九州北部の梅雨が明けた。気温はうなぎ上り。セミの合唱に合わせてヒマワリが揺れる。夏本番だ。不協和音は口元を覆うマスク。その暑苦しさをしばしば忘れる涼風が海の向こうから。
 夏の真っ青な海を思わせるユニフォームで晴れ舞台に現れた大谷翔平選手。日本時間できのう行われた米大リーグのオールスター戦に、史上初めて投打の「二刀流」で登場した。伝説の二刀流、ベーブルースも果たせなかった快挙だ。先発投手で1番・指名打者。投手降板後も指名打者として残れるようルールまで変更された。まさに大谷選手のための球宴である。500フィート(約152メートル)の特大ホームランをかっ飛ばし、時速100マイル(約161キロ)の剛速球を投げる。常に全力でプレーし、礼儀正しく、明るい笑顔を絶やさない。漫画から飛び出したようなヒーローに全米がどれほど熱狂しているかが伝わってきた。
 もちろん日本でも。梅雨空や新型コロナ禍でふさぎがちな気分をスカッとさせてくれた。ただ、超人的な働き故にけがや疲れが心配になる。遠くで頑張る息子を気遣うように、無事にシーズンを終えて、と願うばかりだ。
 ヒマワリには「ビンセント」という名の品種がある。名画「ひまわり」を残したゴッホの名にちなむとか。太陽のような大きな夢を追い続ける大谷選手の姿に大輪のヒマワリが重なる。誰か新品種に「ショウヘイ」と名付けてくれないか。

 昨夜10時からNHKの「クローズアップ現代」では、「大谷翔平 歴史をつくる大旋風 徹底解明!“驚異の打法”“人間性”」と題した大谷選手の特集が放送されていました。
 もちろん、大谷選手しかできない“打法”について、専門家の細かい解説もあっていました。それによると、「大谷選手は、メジャーリーガーのもう1つ上をいってる」と評されていました。また、元大リーガーで殿堂入りを果たしている通算219勝のペドロ・マルチネスさんは、
「大谷は信じられない選手だ。テレビゲームで完璧な選手を作り上げるみたいだよ。完璧な肉体、完璧なメンタル、非の打ちどころがない。大谷は機械が生み出したようだ。人間の理解を超越している」
と話していました。松井秀喜さんは、
「彼こそが真の長距離打者だと思います。大リーグの常識を変えた唯一無二の存在です」
と。ニューヨークタイムズ紙に「大谷選手は何でもできる」と記事を書いたベテラン記者は、次のように話していました。
「大谷選手の活躍を見ていると本当にうれしくなるんだ。野球に興味があってもなかったとしても、彼がやっていることは超人的で本当に驚くべきことだと気づいてほしい。」
 近年、野球の人気の低迷がささやかれていたメジャーリーグでしたが、大谷選手の登場で新たなファンになる人が急増しているそうです。熱狂的なファンの一人である看護助手の女性は、「大谷選手の一番の魅力は、フィールド上で垣間見えるその人間性」と言っています。
・アウトになりそうでも全力疾走する姿
・フィールドに落ちているゴミをさりげなく拾って自分のポケットに入れる姿
・相手が打ったあとのバットを拾ってボールボーイに手渡す姿
・相手の折れたバットを走って取りにいき、相手選手に渡す姿
・いつも笑顔を絶やさず、誰に対しても優しくフレンドリーな対応をする姿
大谷選手にとっては当たり前のことなのでしょうが、多くの人がその人間性に惚れ込み、ファンとなっているのです。看護助手の女性は、続けてこう言います。
「何かで落ち込んだりしても大谷選手を見ると元気が出るし、“大丈夫、落ち着いて”と考えられるようになるんです。いったん立ち止まって休んだらまた頑張ろうって」
人に勇気と元気を与える大谷選手、本当に素晴らしいですね。
 高校時代の同級生たちはこんな話をしていました。
「人の悪口を言わないですね。今振り返っても聞いたことないんで。だから結構まわりに人が集まるのではないかと思います」
「下の者(後輩)に話すときも、同級生と話すときと同じように優しく話してくれます」
「みんなから応援されるのが自分たちの力につながる。選手一人一人が愛されるというのが大事だと思うので、(周囲への)感謝、それをショウヘイが率先してやっていたのかなと思います」
 高校2年の春の選抜大会では、大阪桐蔭高校の強力打線に大敗しました。本人はきっと相当悔しく悩んだはずだと。しかし、その悔しさをバネに並々ならぬ努力をし、夏の大会では160キロを超える速球を投げるまでに成長したと同級生は語っていました。
 プロ入り後の度重なるケガや足首の手術に直面しても、メジャーリーグで活躍するという目標を失わず頑張り続け、ついにメジャーリーガーとなりました。日本ハム時代の黒木投手コーチは、「大谷選手は、どんなことがあっても常に前向きでプラスに変えていく。スポンジのように吸収してそれを外に出していく選手」と話していました。
 すべては「野球が大好き」という原点の中で、「ひたむきに」努力を重ね、ひたすらにその“人間性”を高めていったのです。人種差別など分断が広がっているアメリカで、大谷選手は希望の光だという人々もいるそうです。
世界中から注目される大谷選手、その活躍は何より驚異的なのですが、彼がこれまでに培ってきた人間性こそが、人々を惹きつけ、多くの人に元気や勇気を与えてくれるのだと思います。大谷選手は私たち日本人の誇りです。大谷選手にはもちろんなれませんが、大谷選手が教えてくれる人として大切なことを、私たちも見習いたいものです。
 ・・・こんなに熱く語る私も、もちろん大谷選手のファンです(^_^)