学校日記

【7月16日】四を絶つ

公開日
2021/07/16
更新日
2021/07/16

Kのつぶやき

 先日紹介した田口佳史さん著の『論語「人生巧者」はみな孔子に学ぶ』からです。

 「子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし」
 
 自己鍛錬に必要なのは、四つのものを絶つことだ。第一に自分勝手な「意」、第二に決めた通りにやらなければ気がすまない「必」、第三に一つのことに執着する「固」、第四に自分のことしか考えない「我」である。
 (執着を捨てる四つのポイント)
 「意」「必」「固」「我」の四つがないとはつまり、自分への執着がないということだ。
 ・自分勝手だと、他者を思いやることがなくなる
 ・自分で決めたことにこだわると、他者に対してムリを強いることになる
 ・一つのやること、言うことに固執すると、他者に柔軟に対応しなくなる
 ・我を張ると、他者を受け入れなくなる
 といったことはすべて、自分への執着から起こる。いってみれば「排除の理論」に従って行動することにほかならない。こうした自分への執着を捨てない限り、周囲から疎(うと)んじられるけだ。柔軟な思考もできないため、事がうまく運ぶわけもない。
 さらにいえば、「意」「必」「固」「我」の四文字は、人のいうことに聞く耳を持たないガンコな年寄りや、自分の考えややり方を部下に押しつけるワンマンなリーダーの特徴をずばりいい当てたものでもある。そうなりたくないのなら、我を張るのはほどほどにして、頭と心を柔らかくすることを心がけたい。

 NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公でもあり、様々なところで話題になっている「日本資本主義の父」と呼ばれている渋沢栄一氏。その生涯に関わった企業は約500と言われています。幕末から昭和までを駆け抜け、「士魂商才(しこんしょうさい):武士の精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること」を説いた時代の先駆者と言われています。
 渋沢氏が関わった代表的な企業をあげると、「第一国立銀行(現在:みずほ銀行)」「日本鉄道(現在:JR東日本)」「帝国ホテル」「東京海上保険会社(現在:東京海上日動)」「東京瓦斯会社(現在:東京ガス)」「東京株式取引所(現在:東京証券取引所)」「抄紙会社(現在:王子製紙、日本製紙)」など数々の有名企業があげられます。そんな渋沢栄一氏が、片時も離さず、なめるようにして読み、その教えを実践したとされる本こそ『論語』だったのです。
 論語には、生き方や人生の悩みや迷いを読み解くヒントになる言葉がたくさんあります。今回紹介した言葉も、私自身への戒めとして心に残ったので紹介しました。自分本位の都合や自己中心的な考えばかりに決してなることがないように、何より「柔軟」でありたいと思います。