【10月4日】志をもって
- 公開日
- 2021/10/04
- 更新日
- 2021/10/04
つぶやき
本日より、教育実習生が3名来ています。2名は3週間、1名は4週間という期間で、実際の現場での学びを深めていきます。子どもたちと少しでも多く接し、もちろん先生方とも交流を深め、たくさんの助言やアドバイスをもらいながら、成長してほしいと思っています。
3人の実習生に「先生になりたいと思った理由は?」と聞くと、それぞれにこう答えてくれました。
◆今まで出会った先生方の影響がとても大きいです。子どもたちのために一生懸命仕事されていることを感じ、自分自身もそのような仕事がしたいと思いました。
◆ワーキングホリデーで海外へ行き、ボランティアをしたり子どもたちと接する場をもつことができたこと等の経験を通して、子どもたちと関わる仕事がしたい、恩師にも相談し、ぜひ教師になりたい!と思いました。
◆自分自身は様々な失敗をしてきました。しかし、それらの経験を活かして子どもたちにたくさんそんな話もしたいし、また、将来への道をひらくことができるようにしっかり力をつけてあげたいと思って教師になりたいと思いました。
ちなみに私が教師になるきっかけは、中学校のときに関わってくださった先生方の影響が一番大きかったと思います。年間100枚以上の自作の英語のプリントを作成し温かく指導してくださり、生徒会担当としてもお世話になった英語科担当の先生。厳しくも、いつも部活動(バレーボール)で粘り強く指導してくださった3年生のときの担任で保健体育科の先生など・・・たくさんの先生方との素晴らしい出会いがありました。
そしてもう一つのきっかけが、以前もどこかでお伝えした、中学校時代にテレビでよく見ていた「金八先生」のドラマです。毎週毎週の感動的なシーンを見て、自分もこんな仕事がしたいと思いました。その後、「教師になること」について、どうしようかと悩む時期もありましたが、大学3年生で「教育実習」に行き、“先生”と呼ばれ、直接子どもたちと関わることで私の心は決まりました。「子どもたちって素晴らしい」「子どもってかわいい」と心から思ったのです。採用試験にも何とか合格し、私が出会った先生や“金八先生”のドラマような感動的な場面を想像しながら、“先生”として赴任した先は・・・
夢と現実のギャップに本当に苦しめられたスタートでした。ドラマのように簡単に解決する問題など一つもなく、むしろやってもやっても先の見えない厳しい状況でした。1年目にして、「教師を辞めたい」「逃げ出したい」と思う日々が続きました。一番苦しい時期だった2学期の中頃、1年生の担任をしていた私に、クラスの子どもたちが生活ノート(ひとこと日記)に次のようなことを書いてきたのです。
『先生、少し疲れていませんか?あまり無理をしないでください。先生が倒れたら私たちは困ります。先生がいての1年○組ですから。私にできることがあったら気軽に言ってください。先生、絶対に無理しちゃダメです!』
『先生、大丈夫ですか?いろいろなことがあって先生も大変だと思います。でも、僕は先生の味方です。僕のできることは何でもしますので、言ってくださいね!』
『先生、いつも私たちのために頑張ってくれてありがとうございます。私は先生のクラスになれて本当によかったって思っています』・・・
子どもたちのあまりにも優しすぎる言葉に感動し、生活ノートを読みながら恥ずかしいくらい泣いたことを今でも覚えています。子どもたちの優しさと素晴らしさに改めて気づき、それと同時に逃げだそうとしてしている自分が情けなくなりました。かけがえのない出会いをした子どもたちを見捨てて逃げるなんてできない。自分の思いは何一つ子どもたちには伝わっていないと思っていた私に、こんなに素敵な言葉をかけてくれる優しい子どもたちと共に笑顔で頑張りたいと、心から思いました。子どもたちのお陰で目が覚めました。その後も様々なことはありましたが、今もこうして教職の道にいるのは、何より子どもたちのおかげです。もちろん、保護者の方、同僚の先生方、地域の方など、本当にたくさんの方に支え助けていただきました。感謝しかありません。
ずいぶん前の私の思い出話になりましたが、「子どもって素晴らしい!」ということ、そして、教育実習を今日からスタートする先生方にも、子どもたちの素晴らしさを少しでも感じてもらって実習を終え、来年度以降、志をもって現場に、“先生”として戻ってきてほしいと願う私でした。