【2月4日】心があたたかくなる言葉
- 公開日
- 2022/02/04
- 更新日
- 2022/02/04
つぶやき
本日は、福岡地区私立高校前期入試。朝の確認では、御陵中のすべての子どもたちが、無事試験会場に入ったようです。さあ、このあとは自分のやってきたことをすべて出し尽くすだけです。御陵中の子どもたちの健闘を祈ります。
3年生は入試のことも考慮し、今週はすべて「オンライン授業及び自宅学習」で登校しませんでした。コロナ感染拡大の状況では仕方のないことです。しかし、私は義務教育最後、中学校生活の残りわずかな時間を「オンライン」ではなく、少しでも友達や先生と一緒に過ごしてほしいという思いもあり、どこかさみしく感じます。どうか、コロナが落ち着いて子どもたちが時間を共に共有し、素敵な卒業式が無事できるように願うばかりです。
さて、私が担任として最後に卒業させた3年生の学級通信を久しぶりに読んでみると、入試前にこんなことを私は書いていました(一部抜粋です)。
◆教室の観葉植物が、本当によく育っています。もちろん、毎日世話をしてくれている○○くんたちのお陰でもあるのですが…。あるとき、こんな話を聞きました。教室の「空気」、もっというと「クラスの雰囲気」がいいと植物もよく育つ。教室にあたたかく素敵な「気」が流れていて、それが植物にも影響するという話…。それに似た話で、ごはんを2つ用意し、一方は「ありがとう!」一方は「ばかやろう!」と1ヶ月、言葉をかけつづける。1ヶ月後、「ありがとう」と言葉をかけつづけたごはんは、麹(こうじ)のようないい匂い、「ばかやろう!」と言葉をかけつづけたごはんは、色も匂いもすごいことに…。また、水を入れたガラスびんに、一方はきれいな言葉を書いた紙、もう一方はイヤな言葉を書いた紙をはる。それをしばらく放置する。これを凍らせ結晶を写真撮影する。すると、素敵な言葉を貼った水や素敵な音楽を聴かせた水はきれいな結晶、いやな言葉を貼った水の結晶は、くずれた汚い結晶になるのです。なぜなのかは、先生もよくわかりません。それを信じる、信じないも人それぞれですが、何だか不思議ですよね。先週の掃除時間に、ちょうど棚の雑巾がけしてくれていた○○さんに「いい空気が流れている教室だから、植物がよく育つのかな」って先生は言いました。○○さんは、素敵な笑顔で「はい、先生!3組はとても素敵な空気が流れています!」と言ってくれました。それが何より嬉しかったことでした。先ほどの話を信じる信じないはともかく、クラスの雰囲気がいいってことは何より素晴らしいことです。今は本当に苦しいときかもしれません。でも、だからこそ、数々の困難を乗り越え頑張ってきた3組だからこそ、共に頑張れると思うのです。
そんな学級通信に、ある保護者の方の返信はこうでした。
■緊張感の走るこの時期に、ホッと一息癒される話題の通信をありがとうございます。3年3組の植物もみんなの心が伝わっているのですね!私の家の近くに、春になると毎年きれいな黄色のミニバラのようなお花が見事に咲きほこるのです。もちろん、そのおうちの方が朝早くから水やりをしたり、手入れをしたりしているのですが、ある日その花になにやら話しかけておられました。それを見たとき、だからそのお宅のお花は一際美しいのよね!と家族で話をしました。気持ちは必ず伝わるのですね。受験を控えた皆さんもどんな結果が出ても悔いが残らない様、今を一生懸命に頑張って下さいね。
何だか、心があたたかくなりませんか?優しい言葉、あたたかい言葉、本当に大切です。ついでにもう一つ、私の教え子の話…。
昨年末に、私の教え子から結婚の報告がありました。その子は、中学3年生のとき、卒業まで残り40日ほどになった時期から、生活ノートに「先生、卒業まで残り○日。今日からクラス全員のいいところを書いていきます」と宣言し、毎日一人ずつ、いいところを行をはみ出すくらい書き続けました。本当に一人一人のよさをよく見ているなぁと感心する文章でした。40人全員が終わった卒業式前、「最後は藤井先生のいいところです」と、生活ノートのコメント欄だけでなく、別紙で1枚にわたって、びっしりと書いてくれました。私は、入試前の大切な時期、自分のことでいっぱいいっぱいになりそうなときに、クラス全員の素晴らしいところを毎日書き続け、担任の私のことまで、私の涙が溢れて止まらないぐらいの素敵な言葉を書き連ねてくれたその子に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになりました。その子が、「3月の結婚披露宴にぜひ」と招待状をくれました。「コロナの影響で延期するかもしれませんし、先生もお立場もあり出席が難しいかもしれないので、くれぐれも無理はしないでください」と申し訳なさそうに話す彼女でしたが、披露宴での彼女の幸せそうな顔を見ることを心から楽しみにしている私です。
「優しさ」「あたたかさ」…忘れたくないものです。