学校日記

【2月7日】対応力とチャレンジ精神

公開日
2022/02/07
更新日
2022/02/07

つぶやき

 先日の福岡地区私立高校前期入試に引き続き、今日は公立高校推薦入試です。朝から面接試験や作文等による試験が行われています。ぜひ、自分のよさを最大限にアピールしてきてほしいと思っています!

 さて、北京五輪が始まり、様々な競技が行われています。昨日は、男子スキージャンプのノーマルヒルで、小林陵侑選手が見事金メダルを獲得しました。追い風という悪条件で、有力選手が力を発揮できない中、2本ともに安定感のある素晴らしいジャンプで優勝した小林選手の姿に心から感動しました。小林選手は、スキージャンプ界のレジェンドであり所属チームの選手兼監督でもある葛西紀明さんにスカウトされ、葛西さんの数々のノウハウを教えてもらい、実力をつけてきました。昨日も、競技前に行われるトライアル(試技)に他の選手が臨む中、小林選手だけがこれをスキップし、ぶっつけ本番。これも“師匠”の葛西さんの戦法“ノリ作戦”であることを小林選手が明かしていました。
 優勝が決まったあと、葛西さんは号泣され「こんなに泣けるほど嬉しい気持ちになったのは初めて」と語りました。また、「陵侑のバランス力は天下一品、そして、アドバイスをするとすぐに修正してできるようになる“対応力”は、本当に凄い。これから“体幹”をさらに鍛えていけば“ムテキング(無敵)”になる」と、大変喜ばれる姿に、“師弟愛”を感じ、私まで嬉しくなりました。

 また、一昨日には、男子モーグルの堀島行真選手が今大会日本人初の銅メダルを獲得しました。堀島選手は、2017年世界選手権覇者として金メダルを期待された前回平昌五輪では、大きな転倒をし悔し涙の11位に終わりました。そして今回、“ガラスのエース”という汚名を見事に返上しました。銅メダル獲得後のインタビューの様子を見ていてもその人柄が伝わってきましたが、堀島選手は「愚直な努力家」と評されています。元五輪代表の上村愛子さんが「頑張りすぎたり、勝たなきゃと自分を鼓舞しすぎたりするところがある」とその真面目さは周りの人も認めるところです。一方で、「その真面目さや、完璧さへの執着がありすぎるがゆえの弱さ」を指摘されていたことも事実です。そんな堀島選手は平昌五輪後、モーグルのターンとエアの総合力を高めるために他の競技にもチャレンジしました。体操、トランポリン、飛び込み、スキージャンプ、パルクール、フィギュアスケート…
「例えばフィギュアスケートであれば滑れるようになっただけでうれしいし、片足でバランスを取れるようになったとか、そうした1つ1つの段階をこなしていくことで、自分の気持ちもプラスに変わっていった。小さな目標を達成していくことで、『自分はできる』という感覚を取り戻すことができた」
 と、堀島選手は語っています。平昌での悔しさをバネに、しっかりと自分を振り返り、体力や技術面だけでなく、考え方をも変え、精神面も鍛えてきました。ですから、一昨日の決勝、第1エアの着地で乱れたのですが、
「ミスの許されないオリンピック、(バランスを崩し)メダルは難しいかもと思ったが、あきらめないで滑り切りたいと考え頑張りました!」
 と後のインタビューに涙ながらに答えていました。これこそが、堀島選手の技術と精神面の大きな成長だったのだと私は思いました。
「最低限、表彰台を掲げてやってきたので、なんとか取ることができてよかった。ただ、本当の夢は金メダル。たどり着くまでやっていきたい」という、堀島選手のほっとしたようなそして、次への闘志がみなぎる言葉に、胸が熱くなった私でした。

 小林陵侑選手の「対応力」、堀島行真選手が大切にしている「チャレンジ精神」、さらには堀島選手が中学時代に将来の自分に贈った手紙に書かれている「朗らかさ、謙虚さ、素直さを大切に」は、私たちにとっても大切にすべきことだと改めて思います。もちろんそこには、ひたむきな努力が必要であることは言うまでもありません。
 まだまだコロナ禍、たいへんな状況が続いていますが、勇気と元気を与えてくれるすべての選手たちに心からの敬意と感謝を贈ります!