学校日記

【2月25日】許されないこと

公開日
2022/02/25
更新日
2022/02/25

Kのつぶやき

 昨日、ロシア軍がウクライナに侵攻するという信じられないことが現実となりました。ウクライナの首都キエフや各地の軍事施設などがミサイルで空爆を受けたとのこと。
 西日本新聞の『春秋』には次のように載っていました。

 ロシア人にとってウクライナは、日本人にとっての奈良や京都のような存在−。9世紀頃、この地に誕生したキエフ公国(キエフ・ルーシ)が、後のロシア、ウクライナ、ベラルーシとなった。ロシアの国名もルーシが語源という。奈良の古称・大和が日本を表すようなものか。専門家の例えに、暴挙の背景にあるものを垣間見る気がした。
 国際社会の警告を振り切ってロシアがウクライナに軍事侵攻した。ロシアのプーチン大統領は、親ロシア派武装勢力が実行支配するウクライナ東部の2地域の独立を一方的に承認。その上で、政府軍の攻撃から住民を守るとの勝手な名目で戦火を開いたのだ。国際憲章は、他国の領土保全や独立に対して武力の行使や威嚇を禁じる。国連安全保障理事会の常任理事国ロシアが憲章の理念を踏みにじった罪は深い。プーチン氏が「われわれの歴史や文化、精神とは切り離しがたい一部」というウクライナが西側軍事同盟入りを望むのは、安全保障面だけでなく心情的にも許せないのだろう。もちろん力ずくで他国の主権や領土を侵し、思うままにする無法の言い訳にはならない。
 ロシアは8年前も同様のやり方でウクライナ南部のクリミア半島を編入した。今度も既成事実にできると甘く見ているのか。力による現状変更を認めれば、国際秩序は成り立たない。米欧や日本は厳しい制裁でロシアに重い代償を払わせねばならない。

 歴史的な背景や長きにわたる心情的な面をすべて理解することは難しいかもしれません。また、専門家の方々が、この侵攻に踏み切った背景に国際社会における米国やEUの影響力低下をあげられていました。しかし、どんなことが理由であれ武力という「力」によって、侵攻・侵略は決して許されるものではありません。
 近隣においても、中国は台湾海峡や東・南シナ海で覇権主義(影響力拡大のために、軍事的、経済的、政治的に強大な力にものをいわせて他国に介入し、他国の主権を侵害・支配すること)的な動きを強めたり、北朝鮮は核・ミサイルの開発を進め、自国の力を示すために次々にミサイルを発射したりしています。ロシアのウクライナ侵攻を受け本国も…と考える国も出てくるかもしれません。そうなると、日本にとっても対岸の火事(自分にはまったく影響がなく、痛くもかゆくもない出来事のたとえ)ではなくなるのです。
 侵攻や侵略には「命の犠牲」がつきまといます。すでに、ウクライナでは137人が死亡し、316人以上が負傷したと発表されていました。中には一般人もいたという報道も…。銀行やスーパーマーケット、ガソリンスタンドには長蛇の列、隣国ポーランド国境付近には車などで避難しようという人たちが押し寄せていました。人々の安全な暮らしが奪われています。

 祖国に家族や友人がいるウクライナ出身の方(福岡市在住)は「本格的な戦争になればウクライナ人だけでなくロシア人にも死者が出る。日本も一緒にロシアを止めてほしい、ウクライナに関心をもってほしい。私たちウクライナ人は平和に暮らしたいだけなんです」。
 また、東京五輪柔道48キロ級で銅メダルを獲得した出身地キエフを拠点とするダリア・ビロディドさんは、「午前0時に銃声で目が覚めた。言葉がない。とても不安で家族と国のために祈っている」、続けて「ロシアは私たちを爆撃し、戦争が始まった。こんなことが起きるとは思わなかった、なぜ人々の人生を台無しにするの?ロシアとベラルーシ、止まれ」と悲痛な思いをSNSに投稿していたそうです。(※本日付け西日本新聞より)

 今まさにたったひとつしかないかけがえのない「命」が奪われているのです。奪われようとしているのです。罪もない人々の命を奪う権利がある人はこの世に存在しないはずです。なのに、そんな残酷なことが、今、この世界で起きているのです。最悪のシナリオは、陸上部隊の大規模展開や空爆、ミサイル攻撃によって民間人の犠牲者が多数出ると言われています。アメリカの情報機関が、最大で5万人の死傷者、500万人が難民になる恐れがあるとの分析を示す報道もあっていました。
 私たちは、この現実をきちんと受け止めなければなりません。私たちが何かすぐにできることはないかもしれませんが、少なくとも「対岸の火事」というとらえではなく、どんな理由にせよ絶対に許されないことなのだということを強く心に留めないといけないと思います。これ以上の命が奪われないよう、一刻も早い解決を望みます…