学校日記

【3月16日】人間の尊厳

公開日
2022/03/16
更新日
2022/03/16

Kのつぶやき

 とてもあたたかい日が続いています。昼間は、汗ばむくらいの陽気です。18日(金)「生徒総会」、22日(火)「2年生進路学習会」、23日(水)「クラスマッチ」、そして、24日(木)の修了式で本年度も終わりとなります。残された行事はもちろんのこと、日常の時間を大切にしながら、よりよい終わりにしたいと思っています。

 さて、ウクライナから300万人以上が避難したとのニュースが流れていました。一方で、避難できずにいる方、避難しないで残るという選択をされた方も、毎日、ぎりぎりのところで生活されています。もちろん、かけがえのない人の命が毎日毎日、奪われています。ウクライナの首都キエフでは、15日夜から「35時間の外出禁止」となりました。それだけ危険な状況なのだと思います。

 世界中では、反戦運動やウクライナへの支援、ロシアへの経済措置などが進んでいます。経済措置によって、各国も原油をはじめとする様々なものの高騰で厳しい状況となっています。昨日、イギリス人をはじめ欧州の方々のインタビュー映像が流れていました。
 この原油などの高騰に対してどう思うかと…
■「原油価格の高騰は我々にとって不幸なことだ。しかし、そんなことよりもウクライナの人々のことが心配である」
■「様々なものの高騰は、私たちに生活にとっても大変かもしれない。しかし、ウクライナの人々の苦しみに比べたらたいしたことではない」…
 解説の方がこんなことをおっしゃっていました。
「欧州の方々は、2度の大戦で壊されたものを、やっとの思いで復興させ平和をつくりあげてきた。そんな当たり前の平和が今まさに壊されている。これは決して他人事ではない。私たちすべての人の問題なのだと思っている。だから、経済制裁は、自分たちの生活も苦しいかもしれないが、それ以上に大切なこと、守るべきことがあるのだと思っているのではないか。“痛み”と“怒り”を欧州の方々は特に強く感じているのだと思います…」
 そう述べていました。一方、ウクライナに残って医療活動等を続けている人々は、
■「私たちは、武器はもっていないが、戦い続ける」
■「私たちが避難したら、誰がケガした人を助けるんですか?だから、私は最後まで働きます。最後まで戦います」
 と力強く話されていました。
 14日夜、ロシアの主要テレビ「第1チャンネル」のニュース番組の生放送中に、同テレビ局の女性社員がキャスターの背後で、「戦争反対」と叫び、「戦争をやめて。プロパガンダ(特定の思想へ誘導する行為、政治宣伝)を信じるな。あなたはだまされている」などと書いた紙を掲げていたことが大きく取り上げられていました。情報統制が大変厳しいロシアでのこの行為に、何と勇気があるのだろうと私は思いました。日本の報道関係の人の話では、5秒も画面が切り替わらない、アナウンサーも微動だにしなかったことを考えると、少なくともこの行為を行われることをスタジオ内の人たちはわかっていたのではないかとも言ってました。要するに、この戦争がおかしいと思っているロシアの方もたくさんいることの証ではないかと思います。

 様々な人たちの言葉に、尊い行為に、人間の尊厳とは何なのか、人として本当に大切なことは何なのか、人間の強さ、たくましさ、そして真のやさしさとは何なのかを痛切に考えさせられます。
 私たちにできることは小さくても、「絶対に戦争は許されない」「戦争は最大の差別であり、人権侵害」であるという気持ちを持ち続けていくことが大切だと思います。