学校日記

【3月24日】新たな決意

公開日
2022/03/24
更新日
2022/03/24

Kのつぶやき

 修了式での私の話です。

 昨日の「クラスマッチ」はいかがでしたか?友達と共に頑張れることって素晴らしいですね。友達がいてくれるって幸せですね。昨日は皆さんの真剣な顔、そして笑顔をたくさん見られてとてもうれしかったです。
 この一年間も様々なところで、いろいろな頑張りを見せてくれた皆さんに感謝します。コロナ禍ではあっても、できることをしっかりと頑張っていくことが、やはり大切だと皆さんから教えてもらいました。ありがとうございました。
 さて、今日皆さんに、お話ししたいことは、命の大切さと当たり前に感謝することについてです。みなさんもたくさんの報道や情報を通してもちろん知っているロシアのウクライナ侵攻。
 毎日毎日、この瞬間にも、多くのかけがえのない命が奪われています。当たり前に、幸せに暮らしていた人の生活が奪われ、家や街が破壊され、地下シェルターの中で、水も食料もない中で、時には、雪を溶かして飲み水にするなどして命をつないでいる人たちがいます。
 想像してください。想像するって大事です。「察すること」大事です。まったく同じ状況にはならなくても、どんな気持ちだろう、どんなにつらいだろう、って想像してください。そうすると、私たちは今こうして無事に修了式を迎えている。これも当たり前ではなく、とても感謝すべきことです。安心して学校で勉強ができる。友達と話すことができる。部活動ができる。ご飯を食べることができる…、すべてが当たり前ではないのです。とても幸せなことです。
 自分の娘さんの14歳の誕生日をマリウポリの暗い地下シェルターで迎えられたお母さんのインタビュー映像が流れていました。このお母さんは後日、お子さんと共に、ウクライナの別の街へ避難されたそうですが、こんなことを話されていました。
「破壊された街を見ると、恐怖と悲しみで胸が締めつけられます。ただ、憎しみや怒りの感情は持ちたくない。憎しみと怒りの感情こそが戦争を生むのです。憎しみは消えてほしい。憎しみこそが殺りくや破壊につながるから。いま私たちが子どもたちに伝えることは憎しみではないはず」。そして涙を流しながら、「私たちを見捨てないでいてくれてありがとう…本当にありがとう…」と。
 どう、感じますか?私たちは、この現実を真剣に考えなければなりません。私たちにできることは、この現実が、戦争がおかしいと声をあげることや、わずかな寄付・支援しかできないかもしれません。しかし、人を大切にすること、日常に感謝することを忘れず、自分の周りにいる家族、友達をはじめとする人を大切にすること、そして、自分が「生かされている」ことに感謝と、人への敬意をもって一日一日を、精一杯に過ごすことが大切なのではないでしょうか?皆さんならきっと、わかるはずです。感じるはずです。
 今、「生かされている」と言いました。私たちは、多くの「人」や「もの」、「こと」の支えや「おかげさま」の中で生きています。また一方で、相田みつをさんの詩「自分の番、命のバトン」の一説にこんな言葉があります。
『父と母で2人、父と母の両親で4人、そのまた両親で8人、こうして数えていくと、十代前で、1024人、二十代前では?…なんと、百万人を超すんです。いのちのバトンを受け継いで、いま、ここに自分の番を生きている…』
 奇跡の奇跡が重なって生まれてきたあなたの命は、ずーっと昔から受け継いできたものです。かけがえがないのです。だからこそ、これからも「命」を大切にしてください。命をいっぱいに使って、目標や志をもって、努力し続けてください。
 しかし、頑張れば頑張るほど、苦しいことがあります。つらいことがあります。「何で自分だけ…」と思うことがあると思います。そんなときは、周りに助けを求めてください。相談してください。皆さんの周りには、皆さんのことを愛し、支えてくれる人がたくさんいます。遠慮しなくていいのです。この世で、一番大切なもの、それが「命」です。皆さん一人一人の「命」です。あなた方はかけがえがないのです。そのことを決して忘れないでください。
 さあ、いよいよ4月からは、それぞれ3年生、2年生へと進級します。新入生がキラキラと目を輝かせて入学してきます。ぜひ、あたたかく、目配り・気配り・心配りのできる素敵な先輩、目標に向かって一生懸命頑張る素敵な先輩でいてください。皆さんは、これからますます伸びます。ますます成長します。それを決めるのも「自分自身の心、気持ちしだい」です。皆さんのこれからの成長と活躍を期待し、令和3年度修了式のお話とします。

 子どもたちは、私の話を真剣に聞いてくれました。中には、うなづいて聞いてくれる子までいました。子どもたちは新たな決意をもち、これからさらに「命」を大切にし、友達や家族をはじめすべての人を大切にし、志をもって頑張ってくれるのだと思います。改めて、素晴らしい子どもたちに感謝します。

◆保護者の皆様、地域の皆様、関係の皆様
 コロナ禍、本年度も行事の延期や中止、様々な制限・制約の中で、たいへんご心配をおかけしたことだと思います。しかしながら、皆様の深いご理解とあたたかいご支援のおかげで、大きな事故もなく無事修了式を迎えることができました。これまでのご理解とご協力に心から感謝いたします。また、令和4年度は御陵中学校創立40周年です。これまでの関わっていただいたすべての方に感謝をしながら、子どもたちに還元できるイベントや取組を実施していく予定です。来年度も、「子どもたちの笑顔と未来のために」教職員一丸となって頑張って参りますので、どうか、御陵中学校への変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。本当に、ありがとうございました!
 最後に…コロナ禍となり、何か少しでも発信していきたいと思い、一昨年6月末からはじめた「校長のひとりごと」は、今日で390回となりました。これまで、読んでくださったすべての皆様に心より感謝いたします。