【4月13日】辺謝
- 公開日
- 2022/04/13
- 更新日
- 2022/04/13
Kのつぶやき
今日は「喫茶店の日」だそうです。1888年の今日、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館(かひさかん)」が開業。1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建て洋館で、もりそばが8厘だった時代に、コーヒー1杯の値段が1銭5厘のぜいたく品。店自体は5年で閉店だったそうです。その名前を由来とする喫茶店が北海道にあるみたいです。
私は若い頃、「喫茶店」にとても興味がありました。学生の頃、落ち着く店の雰囲気の中、友人たちとコーヒーを飲みながら話をする時間が好きでした。ですから、いつか(このいつかは本当にいつかわからないいつかなのですが…)喫茶店を自分で経営したいという淡い夢をもっている時期もありました。今は「喫茶店」というより「カフェ」なのですかね?私としては、落ち着く店の雰囲気とこだわりのコーヒーと名物のナポリタン、そしてこだわりの渋い音楽といい音でお客様を迎える「喫茶店」を。そこには常連のお客様が多く、心落ち着く時間を過ごしてもらえたら…そんなことを考えていた私です(どうでもいいひとりごとでした…)。
さて、『生き方の教科書』から、陶芸家の北川八郎さんの「辺謝で感謝が完成する」から抜粋します。
繁栄の法則の大きな柱である「感謝する」とはどういうことかについて話したいと思います。
感謝は、もらってありがたいと思うだけではいけません。ありがたいという気持ちで人に同じ喜びを与えて初めて感謝が完成するのです。人から与えられるばかりだと、もらうのに慣れてしまい返せなくなってしまいます。優しさや知恵や助けをいただいたら必ず返すことが大事です。これを私は「辺謝で感謝が完成する」と言っています。
もちろん、感謝を返すといっても、それに見合うだけの物やお金を渡せ、というのではありません。大切なのは、多くの人のために自分の人生を人に費やすこと、つまり時間を与えることです。人を手助けすることもそうです。笑顔と優しい言葉で感謝の思いを伝えるだけでもいい。その人にできる範囲のことを善意をもって精一杯行えばよいと思います。
私は三十代までは他者からもらう時代、人生の折り返し地点の四十代になれば、人からもらった優しさや知恵、運をできるだけ多くの人に返さなければなりません。五十代からでは遅すぎます。返すべき時にきっちり返しておかないと、そのツケは先送りされ、五十代、六十代と年齢を経るごとに苦しくなります。遊んだツケは後に病気などとなって返ってくるのです。
辺謝はすなわち、その人の徳積みとなります。人知れず下坐に徹し黙々と徳を積み上げることは確かに自己犠牲を伴うことですが、それが苦になることはありません。自分の人生の時を削り他人のために何かをお返しする喜びが体得できてこそ、「ありがとう」という本当の繁栄に結びつくのです。
今年度、ありがとうと笑顔を溢れる学校にしたいと私は子どもたちに話しました。北川さんもおっしゃっているように、「辺謝」は、決しても物やお金ではなく、その人への「ありがとう」の言葉であったり笑顔であったり、また、別の方、周りの方への優しい行動であったりすることなのだと私も思います。そうやって「感謝」が「感謝」を生み、「優しさ」が「優しさ」へと繋がっていくことこそ大切なのだと思います。
私もこれまでたくさんの優しさや知恵、助けを多くの方にいただいてきました。まだまだとても辺謝できていません。五十代では遅すぎるかもしれませんが、少しでも多く返していけたらと思います。私を支え励まし、助けていただいたたくさんの方々への「恩返し」を、自分の時間を使い、目の前にいる子どもたち、保護者の皆様、地域の皆様、先生方など多くの方々にできればと思います。