【5月10日】心をそろえる
- 公開日
- 2022/05/10
- 更新日
- 2022/05/10
つぶやき
昨日のひとりごとで紹介した「しつけの三カ条」、以前、御陵中学校運営協議会で話し合われ、学校・家庭・連携して推進していこうとつくられたものです。「いつでも自然にあいさつができる生徒」「『ハイ』と返事ができる生徒」「脱いだ履物を揃える・席を立ったら椅子を納めることができる生徒」の三つです。その中の「履物を揃える」についてもう少しつぶやきます。
「履物を揃える」ことに関して、有名な詩があります。
はきものをそろえると 心もそろう
心がそろうと はきものもそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかが みだしておいたら
だまって そろえておいてあげよう
そうすればきっと 世界中の人の心もそろうでしょう
学校やトイレなどに、この詩がはられているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。この詩はもともと、長野県円福寺の藤本幸邦住職が、「脚下照顧(きゃっかしょうこ):自分の足元を見よ、自分の行いを見よ」という禅の言葉を、子どもたちにわかりやすく伝えるために作られたと言われています。
先日、私のバレー部の教え子が、手紙に「今でもトイレのスリッパは並べています」と書いていたことを嬉しく感じた私です。そして、そういうことをよく言っていたんだと改めて感じました。「相手意識」をもった行動は、バレーボールの技術向上のためだけではなく、人として生きていくときに大切なことだと思い、言い続けたと思います。もちろん今でもとても大切なことだと思っていますし、私自身もそういうことが自然にできるようにならなければと思っています。
トイレのスリッパに関して言えば、スリッパがバラバラだと自分も履きづらいし嫌なので、できるだけ並べてから入るようにしています。以前、ある公共の施設でトイレを使おうと入ると、スリッパがバラバラになっていました。それを並べていると、私のあとからトイレ掃除に入ってこられた施設の方が、「並べていただき、ありがとうございます!」と笑顔で言ってくださいました。お礼を言っていただくためにしているわけではもちろんありませんが、何とも言えずあたたかい気持ちになったのを覚えています。スリッパを揃えるなんて、わずか数秒のことです。ちょっとした心がけでできることです。
次の人のことを考える、周りの人のことを考える…たとえ、その場面に誰もいなくても、想像することが大切なのだと思います。「履物を揃える」とは一つの行為だとは思いますが、そこには、人のことを考える気持ちがあるのだと思います。見える相手、見えない相手であっても想像し、その人が嫌な思いをしない、むしろ快適であったり笑顔になったりする行為ができればと思うのです。そしてそれが無意識にできるようになればさらによいかもしれません。私はまだまだです…
しかし、みんながそんなことを意識し、考えられるようになったら…きっと…世界中の人の心もそろうのでは?