学校日記

【6月8日】超長寿社会

公開日
2022/06/08
更新日
2022/06/08

つぶやき

 今朝の西日本新聞のコラム「春秋」からです。

 世界最高齢となるヨットでの単独無寄港の太平洋横断という快挙はもちろん、その言葉も痛快だった。海洋冒険家の堀江謙一さん(83)。今が「青春真っただ中」で「若輩だが大器晩成を目指す」とも。
 同じく史上最高齢の80歳で世界最高峰のエベレスト登頂を成功させた冒険家三浦雄一郎さん(89)も「目標があれば老いは感じない」と年齢の壁を越えた。一方で成功の鍵は「年寄りの半日仕事」。年を取ると体がいうことをきかなくなるから、若い時よりゆとりある日程で休憩をたっぷり取る。情熱と冷静の共存が80代の強み。
 超人でなくても励まされるのが、87歳のユーチューバ−として話題の多良美智子さん。長崎市出身で神奈川県の築50年余の団地に一人暮らし。一昨年、10代の孫が撮った日常の動画をネットで紹介する。「Earthおばあちゃんねる」を始めた。重い掃除機を使いこなせなくなり、量も食べられない。それでも「できないことが増えるのは仕方ない。まだできることを楽しむ」と料理や針仕事に興じる日常が人を引きつける。
 日本の平均寿命(2020年)は女性87.74歳、男性81.64歳。65歳以上が約3割の超高齢社会だ。元気をくれる先輩たちの言葉、究極はこの方。世界最高齢に認定され、今春119歳で亡くなった福岡市の田中カ子(かね)さん。明治から令和まで五つの時代を生き、口癖は「人生は今が一番幸せ」。かくありたい。

 太平洋横断をした堀江さんは、今年3月26日にサンフランシスコを出航し、6月4日未明無事にゴールと決めていた紀伊水道に達したとのこと。なんと、8500キロ、69日間の航海でした。実は、堀江さんは60年前、世界で初めて小型ヨットで単独無寄港太平洋横断を成し遂げ、のちに石原裕次郎さん主演で映画化もされた『太平洋ひとりぼっち』の著者でもあります。記者会見では、たいへん元気な姿で話されていました。
 87歳のユーチューバ−の多良さんのことを私はまったく知らなかったのですが、いくつか動画を見せてもらったら、日常の多良さんの様子が写っていました。なんと登録者は8万人を越え、多良さんの日常が今年3月には書籍となったそうです。
 堀江さんにしても、多良さんにしても、もちろん冒険家の三浦さんにしてもみんな元気です。そしてイキイキとされています。「人生100年時代」と言われるこれから、目先のことだけでなく長期的なことも考えて日々の生活を送っていくことも大切かもしれません。朝日新聞の「Reライフ.net」というサイトに次のようなことが載っていました。

 「長く生きるためには、長く働かなければならない」ということです。人生100年時代を生きるための「働く」とは、もちろん生活のためでもあるのですが、それ以上に長い人生をより豊かに生きていくためでもあるのです。そうした視点で「働く」を考えた時に、「苦手なこと」「不得意なこと」では、効率的に成果を上げて、新しい価値を生み出すことは難しいのではないでしょうか。長く働くために大切なことは、時間を忘れて熱中できること、いつまでも飽きずに取り組めることを見つけることです。自分が大切にしたい価値観に結びついている「働き方」を見つけることが必要です。…(中略)…
 そうした時代の流れを認識し、自分なりの働き方を考えていく時に大切にすべきなのは、「好きなこと」「得意なこと」「人の役に立つこと」の三つです。「働く」ことが広い意味での社会参加の一環であることを考えれば、その目的は何らかの形で「人の役に立つこと」でしょう。人は人の役に立つことをしている時に、最も幸福感を得られるともいわれます。自分の好きなことや得意なことで働き、人の役に立てる。そんな働き方を意識して、超長寿社会をポジティブに生きていきましょう。

 これからの時代を担っていく子どもたちにも、目先の勉強だけでなく、様々なことを学びチャレンジしながら、「人間力」を磨き、自分自身のよりよい生き方を見つけていってほしいと思います。