学校日記

【6月9日】失敗を恐れず…

公開日
2022/06/09
更新日
2022/06/09

つぶやき

 渋沢栄一氏の著書『至誠と努力』に、「勇気をもって猛進せよ」という若者への次のようなメッセージがあります。

 正しい行為だとわかっているのに「でも、失敗するのが怖くて…」などと行っている若者はぜんぜん見込みがない。
 自分が正義と信じる限りは、あくまで前向きに、ドーンと行ってもらいたい。正義の心で進み「岩をも砕く鉄の精神を傾ければ、成し遂げられないことなんてない」という意気込みで行かなければならない。
 この志さえあれば、どんな困難も突破できる。たとえ失敗することがあっても、それは自分の注意が足りなかったのであって、少しも心にやましいところがないのなら、かえって多くの教訓を得られる。その結果、より強い志を養うことができ、ますます自信をつけられる。勇気をもって猛進することができる。
 そして、次第に社会の中で立派な人物となっていく。個人としても、国家のひとつの礎としても、信頼できる人物となるのだ。

 渋沢栄一氏は、以前も紹介しましたが、昨年放映されたNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、「日本資本主義の父」と呼ばれています。また、2024年に新紙幣の1万円札の顔となることでも話題となっています。
 「第一国立銀行(現在:みずほ銀行)」「日本鉄道(現在:JR東日本)」「帝国ホテル」「東京海上保険会社(現在:東京海上日動)」「東京瓦斯会社(現在:東京ガス)」「東京株式取引所(現在:東京証券取引所)」など、名だたる有名企業をはじめ生涯に関わった企業は約500と言われています。幕末から昭和までを駆け抜け、「士魂商才(しこんしょうさい):武士の精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること」を説いた時代の先駆者と言われています。
 そんな渋沢氏ですが、たくさんの失敗もしています。しかし、渋沢氏は表面的な失敗や成功にとらわれることなく、信念や志をもって続ければ必ずその思いは形となっていくことを実践していったのです。そんな紆余曲折あった渋沢氏だからこそのメッセージだと思います。
 渋沢氏は、志をもち、失敗を恐れず「猛進する」気概をもつことの大切さを教えてくれています。それは若者だけでなく、私たちすべてへのメッセージではないかと思います。
 御陵中の子どもたちにも、失敗を恐れず、志や信念をもって、様々なことにチャレンジしてほしいと思います。粘り強くやり抜く、人や社会のために貢献する…それこそが、本校の教育目標を端的に表した言葉「自律貢献」であると思います。