【6月13日】奇跡の地球
- 公開日
- 2022/06/13
- 更新日
- 2022/06/13
Kのつぶやき
6月11日の西日本新聞に元宇宙飛行士の野口聡一さんのインタビュー記事が載っていました。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が10日までに、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じて「宇宙は基本的には死の世界。生きていることは奇跡だと感じた」と語り、3回の飛行体験を含む四半世紀のキャリアを静かに振り返った。
「手を離せば無の世界に行ってしまう」。2021年3月、国際宇宙ステーション(ISS)での船外活動。眼下の地球はこうこうと輝き、握った手すりは太陽の光で熱を帯びていた。目の前の宇宙は「360度、光が来ない何もない景色」。星すら見えない暗闇に、恐怖を覚えたという。
だが、まばゆい輝きのISSと地球があった。仲間の飛行士がいて、パソコンなど文明の機器であふれる基地。海や雲が移り変わり、多彩な表情を見せる水の惑星。「命がある証だ」
死が満ちる空間に同居する生の世界。「現代社会は生の感覚が満ちていて、死の恐怖はほとんどない。放っておくと自分は死ぬという状況で、命を続けることがいかに大変かを認識できる」。宇宙に行った経験が心境を大きく変えていった。
21年5月、3度目の宇宙から地上に帰還した。今後は次世代に、自身の体験を伝える活動に取り組むつもりだ。「世界の先行きには不透明感が漂っている。“宇宙”が答えだとは必ずしも言えないが、普段は気付かない視点から見ると、解決できることもあるのではないかと思う」
「宇宙」と聞くと、神秘的でどこまでも大きくて…ある意味“憧れ”もあるかもしれません。地球を包み込んでいる「銀河系」という“うずまき状”のものがあります。その直径が約10万光年と言われています。1光年は、光の速度(秒速30万キロ)で1年かかる距離なので、「1光年=9兆4600億キロ」となります。その10万倍が銀河系の直径です。もうこの時点で、人間が頭で考えてイメージできる大きさではありません。なお、最も高性能な望遠鏡で地球から見える一番遠くが150億光年だそうです。また、宇宙はすごいスピードで風船のように(形が風船のようだという意味ではない)今も膨らんでいるために実際の大きさや形はわかっていません。
天体などについて初めて勉強したとき、太陽までの距離が光の速度で約8分かかる距離にあること、そしてそのことから、私たちが今見ている太陽は「8分前の太陽」であることを知った時に何とも言えない不思議な気持ちで太陽を見上げました。もっと言えば、夜空に見える星の中には、たとえば1万年前に放たれた光がやっと届いて見えている星もあるということを知り、やはり「宇宙」ってとてつもなく大きく神秘的だと感じました。
東京都市大の津村耕司准教授が「地球上の生命が、隕石の衝突や巨大噴火などで全滅せずに生き残れた確率は15%だった」と発表していました。そして、数々の奇跡の中で、地球上の生命体は生きていることが、あるサイトに載っていました。
1 マグマに覆われていた地球が、数々の天体と衝突し、水蒸気が雨となり海が誕生したこと
2 地球は太陽系で唯一宇宙の中で生命が存在出来る領域(※ハビタブルゾーンと呼ぶ)のど真ん中に位置しており、生命にとって最適な太陽との距離感を保っていること
3 地球が、大気を維持する重力をもつ大きさ、そして周りのガスを取り込んでしまわないちょうど良い大きさであること
4 地球に非常に近い「月」の強力な引力で地球の自転を遅らせていること(地球の自転が今よりも速い場合は、数十日も夜が続いたり異常気象が頻発すると考えられている)
5 木星や土星などの巨大質量惑星の強大な重力により、太陽系内部に侵入する隕石の軌道を変えたり、時には隕石を吸収し地球を守ってくれていること
このような理由もあって「奇跡の地球」と言われるのです。その中で生きている私たち人間。これまた奇跡の中の奇跡で誕生しているのです。コロナやウクライナ侵攻などによって、生きていることは当たり前ではないということを改めて認識しているかもしれませんが、それでもどこかで、野口さんが言っているように、「自分は…」と思う部分もあるかもしれません。
世界中で解決しなければならない課題は山積みです。私たち一人一人が、奇跡の地球に生きる一人の人間として、何ができるか、どうしたら良い方向に向かうかを考え、それぞれの立場でできることを少しずつ少しずつ取り組んでいかなければと改めて思います。