学校日記

【6月14日】SNS

公開日
2022/06/14
更新日
2022/06/14

Kのつぶやき

 2020年に女子プロレスラー木村花さん(当時22歳)がSNSで中傷され自死したことを機に、インターネット上の誹謗中傷対策となる「侮辱罪」の見直しの議論が拡大していました。その中で昨日、国会で「侮辱罪」の厳罰化改正法が可決、成立しました。
 今朝の西日本新聞の記事の一部を抜粋します。

 国会においては、憲法の表現の自由との兼ね合いが論点となった。…(中略)…与野党の合意で、(侮辱罪改正法が)施行から3年後、表現の自由を不当に制約していないか顕彰するとした検討事項の付則が設けられた。
 花さんの母・響子さんは成立を受け都内で記者会見し「これまでは抑止力にならなかった。『やっと』という思いだ」と語った。一方で「発言者の特定や賠償請求にはお金がかかる」として民事手続きでの行政の支援を求めた。
 侮辱罪は公然と人をおとしめる行為が対象で、現行の法定刑は「拘留(30日未満)が科料(1万円未満)」。改正法ではこれに「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」を加える。公訴時効は1年から3年に延長となる。近く公布され、それから20日が経過して施行される。

 中学校においても、「SNSを通じていじめの対象になる、またはいじめに加担してしまう」ことや「他者への誹謗中傷をしてしまう」など様々な問題があります。私が以前勤めていた学校でも子どもたちのSNSでのトラブルは多々ありました。顔が見えない、見えにくい状況の中で、SNSを通じて悪口を言ったり、友達と一緒になって嫌がらせをしたりしている子がいました。学校生活を見る限りでは、とても真面目で決してそのようなことはしないと思っていた子が、こんなにひどい文章を送るのか…と相当ショックを受けたことがあります。自分がいかに一面しか見えていなかったかを思い知ったこともあります。しかしながら、すべての実態をつかむことは非常に難しいし、指導も簡単にはいかないことも多くありました。
 一方で、「表現の自由」「言論の自由」はとても大切だとも思います。言いたいことが言えない、正しいことを言っているのに逮捕されるなんてことはもちろんおかしいことです。だからといって、人をおとしめる、誹謗中傷をすることはやはり違います。そのことを私たち大人も子どももしっかりと認識して行動しなければなりません。
 以前も言いましたが、とても便利な世の中になりました。一瞬で人と「繋がる」ことができます。連絡をとることができます。メッセージも簡単に送ることができます。しかし、そのメッセージが相手をおとしめるものや、ただの誹謗中傷であれば絶対に送ってはいけないものです。罰せられるから、しないのではありません。人として大切なものを見失うことがないよう、見える相手であろうが、見えない相手であろうが、「相手意識」をもった行動を心がけたいものです。