【6月23日】1ミリの努力の積み重ね
- 公開日
- 2022/06/23
- 更新日
- 2022/06/23
Kのつぶやき
今朝7時すぎ、入口ドアを空けて校長室で仕事をしていると、その前の廊下を通る女子バレー部キャプテンの大隈由貴さん、立ち止まってしかも笑顔で「おはようございます!」と爽やかな挨拶をしてくれました。とても気持ちがよかったです。大隈さんのその素敵な挨拶は、今日だけのことではありません。やはり、挨拶がきちんとできるって素晴らしいと思いますし、私も大隈さんのような素敵な挨拶をしなければと自分を振り返るきっかけにもなります。
さて、現在ブダペストでは「世界水泳」が行われています。昨日行われたアーティスティックスイミング(AS)のソロ・フリールーティーン(FR)で乾友紀子選手(31)が、テクニカルルーティーン(TR)に続き世界一に輝いたことが報道されていました。今朝の西日本新聞からです。
猛練習で仕上げてきたソロFRをきっちりと演じた。乾は「全てを懸けて泳ぎたい」との強い覚悟で息つく間もない激しいプログラムを泳ぎ切り、TRに続いて頂点に。強豪ロシア勢が不在だったことも追い風となり、ASの日本勢では初の2冠に輝いた。
予選後、タフな乾が珍しく息をつきながら、「全部がきつい」と漏らした。「大蛇(おろち)」をテーマとする演目は、休む間もなく複雑な動きを続けるのが特徴。井村雅代ソロコーチは「水の中のワンキック、ワンストロークまで全部計算してつくっている」という。
食事休憩を挟みながら午前7時から日付が変わるまで続ける練習で振り付けを体に染みこませた。過呼吸で手足が震えたこともある。厳しい鍛錬は世界一になるため。その思いを結実させた。
金メダリストの乾さんを小学校6年生から指導しているのが、AS界では知らない人はいない有名な井村雅代コーチです。『生き方の教科書』の中に井村さんの「1ミリの努力、1秒の努力の積み重ね」という文章がありますので、一部抜粋して載せます。
◆私が練習中最も使った言葉は「無理をしなさい」という言葉。今の日本の企業で「無理をしなさい」って言ったら大変なことになるようですが、そんなことを言っている場合じゃないんです。下手な子は無理をする以外に強くする方法なんかありません。「無理をしなさい」「力を出しなさい」。これはいまも私が一番使っている言葉です。
◆自分の可能性はこんなもんだろうと小さく見積もりがちですが、他人はもっと高く評価してくれている。だから自分はもっとできるんだ、可能性があるんだと言いました。
◆「頑張って当たり前」。どんな質の頑張りをするかによって結果は変わるのです。
◆スポーツでは「心技体」の三つを揃えようとしますが、心技体なんか滅多に揃いません。だから、今日の自分には何が欠けているか自分と語り合いなさい。そして他の二つでそれを補いなさい。
◆「私はもう限界です」という選手には、「限界ってどこにあるの?指さしてごらん」と言うと、はたと気付きます。限界を決めているのは自分。限界なんてありません。
◆今日垂直跳びで40センチ跳べた選手に、いきなり50センチ跳びなさいと言ったら、ハードルが高いと思うんですね。そこで、あなたは明日40センチと1ミリ跳びなさいと目標を設定してあげる。たった1ミリだったら跳ぶ自信はあります。目標を達成する達成感と喜びも得られます。次の日はさらにもう1ミリ高く跳ぶ目標を設定してあげる。それを続けることによって、3ヶ月と10日後(100日後)には50センチ跳べるようになっているんです。
◆「オリンピックに出てメダルをとる」など、大きな目標は持たないといけないんです。けれどももう一つ日々の目標がいるんです。日々の目標とは、一歩前への努力で叶えられる目標。そんな小さな目標にも、大きな目標と同じだけの価値があるという話を選手たちにしました。毎日毎日進化していくことが大事なんだ、1ミリの努力、1秒の努力の積み重ねが大事なんだと繰り返し言って聞かせました。選手たちも「一日1ミリだけ、一歩だけ前へ行けばいいんですね。それなら私たちにもできます」と理解してくれました。
井村さんの強い信念と選手に負けない情熱、そして選手を信じる気持ち、絶対にあきらめない姿勢が、今回の乾選手の金メダルにも繋がっているのだと思います。
一日1ミリの成長を目指し、1秒をも大切にする気持ちや姿勢はスポーツ以外でも学ぶべきことがたくさんあると私は思います。