【7月5日】IT禍
- 公開日
- 2022/07/05
- 更新日
- 2022/07/05
Kのつぶやき
今朝の西日本新聞『春秋』からです。
「土曜日、自宅の固定電話が鳴った。会社から『原稿の問い合わせをしたいけど、携帯が繋がらないよ』と。スマートフォンを見たら、アンテナが1本も立っていなかった」。本誌記者は証言する。この週末、そんな怨嗟(えんさ:うらみ、なげくこと)の声が列島中に満ち満ちたのではあるまいか。KDDIの大規模な通信障害が起きた。影響は3915万回線という。数字が大きすぎて全くピンとこない。けれど通信手段が長時間失われる環境は苦痛で、不安でもあっただろう。「自分が使うのは別会社だから無関係」と思ったのはとんだ甘い認識だった。今回は回線を借りる他の通信会社にも波及。ゆうパックなどの配達が遅れた。銀行のATMは一部停止。地域気象観測システム(アメダス)のデータ配信まで滞った。特に深刻なのは、緊急の連絡が付かないことだ。大津市では登山中に骨折したものの、救助要請の電話が不通に。ある病院では「医師と連絡が取れない」と、緊急手術を断ったという。
通信回線は今日(こんにち)、電気や水道と同じく生活維持に不可欠のインフラである。事業者には、原因究明と再発防止の徹底を求めるのみ。私たちも家族で別々の会社に契約するなど、万一の備えを検討する必要があるのかもしれない。
情報技術の「IT化」は人間が創り出した。ますます利便にはなる。一方、障害や誤作動は社会や生命までも脅かしかねない。「IT禍」も常に隣に。
昨日、本校の先生とその話をしたところでした。その先生の知り合いの方は、一緒にコンビニに行って買い物をしていたところ、会計時に「キャッシュレス決済」ができずに、現金もなく困られたそうです。また、携帯が使えず、公衆電話に人が殺到していたというニュースも流れていました。
通信障害があると、電話ができない、SNSが利用できないだけでなく、キャッシュレス決済が使えない、タクシー料金が支払えない等の影響もあります。さらに、配達や配送への影響、アメダス等への影響、もっと困るのは、命の危機に関わるようなこともあるということです。今回のことは、決してひとごとではないことです。通信障害だけでなく、銀行等でのシステム障害なども何度も問題になっていました。ですから、このようなことがあったときにどうするのか、シュミレーションしておくことも大切かもしれません。もし、そういうことが起きたときに、どうその場をしのいでいくかの準備も必要だと思います。
「Society5.0」や「AI(人工知能)」などの言葉にも象徴されるように、世の中はどんどん便利になっていっています。学校でもタブレットなどを使ったオンライン授業も当たり前のようになってきました。買い物も自宅にいてできます。今は、人が準備して、人が運んできていますが、そのうちAIやロボット技術を駆使して、物流に関しても2030年を目標に「無人化」が進められています。
一方で「サイバー攻撃」と呼ばれるPCやサーバーなどの情報機器を狙う攻撃もあっており、様々なネットワークを経由し、情報の盗窃・改ざん、サービス停止、システム破壊などが問題になっています。
私たちは、すべてを理解することは無理でも、少しでもそういうことに関して学び、「リスク」も踏まえながら、上手に活用していくことが「IT禍」に対応するということなのかもしれません。これからもさらにIT化は進みます。そのことに適切に対応できる子ども、そしてどれだけAI技術が進んでも「人として大切なこと」を身につけた子どもたちを育てていくことを忘れてはならないと思います。