【9月27日】○○を通して学ぶこと
- 公開日
- 2022/09/27
- 更新日
- 2022/09/27
Kのつぶやき
朝、校長室のドアを開けて仕事をしていると、朝練習のために職員室にカギを取りにくるソフトボール部キャプテンの甲斐咲葉さんや野球部キャプテンの柿内洸希さんが、ドアの前で立ち止まり「おはようございます!」と礼儀正しく気持ちのいい挨拶をしてくれます。自分から進んでさわやかな挨拶ができるということは本当に素晴らしいことです。いつも言いますが、されたこちらまでが朝から清々しい気持ちになります。新チームになり、新しい部長さん(キャプテン)も決まり、練習に励んでいることはもちろん、日常の当たり前から頑張る姿勢は必ず、それぞれの技術の向上にも繋がっていくはずです。今週から始まる筑紫区中体連新人大会での子どもたちの活躍を心から願うばかりです。
さて、元日本水泳連盟シンクロ委員長などをされた金子正子さんという方が、『1日1話、読めば熱くなる365人の仕事の教科書』という本に書かれていた言葉を載せます。
ナショナルトレーニングセンターの中にシンクロ専用のプールができて、施設には恵まれるようになりましたが、それまで、特に小谷実可子の育つ頃は西武さんが持っている池袋のプールを、一般公開する前の早朝にお借りしてずっとやってきたんです。借りるにあたっては、早朝五時半から集まってプール掃除をしてから練習、終わったら自分たちでプールを磨いてお返しをする。それこそ自動で動く機械の掃除道具なんてなかったですから、重い用具を押してプールの中を這いずり回って掃除をしていました。取材に来られた方は「五輪選手でもこういう掃除をされるのですか」と驚いていらっしゃいましたが、「五輪に行く選手だからするんです。下の子たちが磨いたプールで上の子たちが泳いでいるようではダメ。上の子がしていることを、下の子たちに見習わせています」といつも言ってきました。選手たちにも「こうして自由に使わせてもらって、ここの皆さんにどうやってお礼ができると思う?」と聞くと、「できません。お金もないし…」と言うから、じゃあ、「日本一になるしかないネ」「オリンピックでメダルをとるしかないわね」と言っていました。そして、どうしたら周りの人たちと気持ちが通うのか、迷惑をかけずに練習ができるのか、考えて行動するように指導しました。感謝すること、挨拶や荷物の置き場所、いろいろ考えて実践してきました。自分たちがどう動いたら周りの人たちが気持ちよく応援してくれるのかを。五輪なんか行くと、いろいろな方から「シンクロの選手たちは明るくて気持ちのいい挨拶をしてくれる」と褒めていただきますが、貧しい中で育ったゆえ、挨拶をしないと次が始まらないと自然とわかったんでしょう。…(後略)…
私も部活動においては、礼儀やマナー、思いやりや気配り、何より日常生活を重視してきました。そして、それがよくできる子、改善し成長していく子は、練習にもひたむきに取り組み、技術的にも確実に伸びていきました。チーム全体がそうなったときには、ここぞという試合、ここぞというプレーで素晴らしい輝きを放ってくれました。
常に素晴らしいチームをつくられる指導者の方々は、やはり日頃の挨拶や礼儀、日常生活の大切さを徹底され、子どもたちもそのことを理解し、そして保護者の方もそのことをわかって、協力し支援されていました。
やはり、そういうことがわかる「感性」、たくさんの人やものや環境への「感謝」の気持ちが大切なのだと私は思います。先に話した甲斐さんや柿内さんのように、きちんとした挨拶を心がけ、ひたむきに練習に取り組む子どもたちも、きっと伸びていきます。自分が打ち込んでいるもの(スポーツ等)を通して、人間力を高めていきます。そのことが将来、人として生きていくとき、一社会人となったとき、とても大切な力となっていくと思います。
昨日から、新人大会等激励放送で、各部の部長さんが、大会や演奏会、作品出展等への意気込み・思いを語ってくれています。その言葉の中には「人間性を磨き」とか「誰からも愛される」という言葉も出てきました。本当に素敵なことだと思います。私たち大人が、そんな子どもたちの可能性を信じ、応援していきたいと思います。