学校日記

【9月28日】「思い」が届きますように…

公開日
2022/09/28
更新日
2022/09/28

Kのつぶやき

 3年生は、放課後の合唱練習が始まりました。学校としては3年ぶり、そして3年生にとっては中学校生活の最初で最後の合唱コンクールとなります。マスクをしての合唱とはなりますが、各クラス、心をひとつに頑張ってほしいと思います。
 昨日は、先生方に以前私が3年生の担任をしていたときの学級通信の一部を紹介しました。その中に、あるサイトに載っていた次の言葉を載せました。

 「息」という言葉について…
 「息」のつく言葉を広辞苑という辞書で探しました。「息合い」「息入れ」「息苦しい」「息籠る」「息急切る」「息杖」「息づかい」「息継ぎ」「息詰まり」「息抜き」「息根」「息の緒」「息の下」「息張る」「息巻く」「息み」「息休め」読めますか。たくさん言葉があるのですね。
 息をふくむ文もこんなにありました。「息が合う」「息がかかる」「息が通う」「息が切れる」「息が絶える」「息が続く」「息が詰まる」「息がはずむ」「息を入れる」「息を凝らす」「息をつく」「息を継ぐ」「息を殺す」「息を詰める」「息を抜く」「息をのむ」「息をはかりに」「息を引き取る」「息を吹き返す」息は生きているものがするので、生死に関わることを表すことが多いです。
 そして、人間の気持ち、他人との関係を表したものもあります。「息が合う」と言いますね。意味はわかりますか。互いの気持ちがぴったり一つになる、という意味です。いま、みなさんは合唱練習をしています。みなさんの合唱で、息継ぎがぴたっと合わさったとき、、まさにみなさんの「息が合い」ます。そのとき、本当の意味でみなさんが息が合う、すなわち気持ちがぴったりと一つになれるのです。自分の事だけ考えるのではなく、みんなのことを考えて歌うのです。「恥ずかしい」「他の人が歌ってくれる」そういう自分に対する甘えの気持ちを捨てるのです。「息のぴったり合った」合唱を聴かせて下さい。

 私はもちろん、音楽の素人ですが合唱の取組が大好きで、生徒以上に燃えて取り組んだかもしれません。合唱は頑張れば頑張るだけよくなっていきます。合唱の練習では、「呼吸」「息」も大切にさせました。全員で一斉に歌が始まるような曲は特に、最初の言葉を発する前の、全員のスーッと息を吸う瞬間を見るだけで、感動を覚えます。子どもたち一人一人が、この仲間とこのかけがえのない歌を心をひとつにして歌おうとする姿勢や意気込みが、最初の呼吸で伝わってくるのです。目や顔の表情、口の開け方、体の使い方…クラス全員が全身で歌っている姿を見ていると、鳥肌が立つくらい感動します。しかし、そこまで行き着くには、山あり谷ありの様々な学級の取組の積み重ねがあってこそです。うまくいかずリーダーが泣いたりみんなに訴えたり、練習中にけんかになりそうな言い合いになったり、時には叱られたり…。しかし、何度も何度も話し合いをしたり、思いを伝え合ったり、みんなで励まし合ったりしながら乗り越えていくのです。その過程こそが、最も大切です。
 最終的には結果が出て、“金賞”とか“銀賞”とか、何も賞がとれないなど様々です。しかし、私はいつも子どもたちに言っていました。
「一番はそこに向かう過程。そしてみんなで、様々な困難を乗り越え、一生懸命取り組んだらきっと心に大きなかけがえのない“宝物”が残ります。自分たちがかけがえのない時間を共有し、最高の仲間と素敵な合唱ができたことに感動し、歌い終えステージから降りるときに涙を流している人がいる、心震わせているとすれば、もうそれは“金賞”以上の価値があります」
 実際、本番前日の最後の練習で、「これで練習が最後なんだ」「一生懸命なみんなの顔見たらたまらなくなった」と涙を流す子どもたちがいます。もちろん、本番のステージを降りるときに、ボロボロと涙を流している子がいます。歌い終えて、「先生、私たちの歌、どうでしたか?よかったでしょ?私、歌いながら自分たちの歌にずっと感動していました」「歌い終えたとき、ぼく、このクラスでよかったって最高な気分になりました」などと言ってくれます。私は、そんな姿を見たり言葉を聞いたりしただけで、合唱に取り組んでよかったと思います。その後もちろん、結果も“金賞”だったら…と願います。
 閉会式の結果発表のとき、横一列に並んだ自分のクラスの生徒が、全員で祈るように手を繋いでいる光景も見ました(手を繋いでいる姿を見ただけで、私は感動しました)。結果、“金賞”のこともあれば、何の賞もとれないこともあります。しかし、子どもたちの多くが涙を流しています。金賞でも号泣、銀賞でも号泣、何の賞もとれなくても号泣…。その姿を見て思わず私まで涙が…。
 そして、思います。子どもたちって本当に素晴らしい!子どもたちって最高だ!俺は、こんな子どもたちと出会えて本当によかった。本当に幸せだと思うのです。子どもたちはどこまでも伸びます。どれだけでも伸びます。子どもってすごい!そう思わせてくれます。
 コロナ禍、マスク着用でしっかりと表情は見えないけれど、制限のある中での練習だけれど、子どもたちができる限りの取組をしてくれて、保護者の方、地域の方に「思い」を届けられるような素敵な合唱コンクールになればと、心から思います。