学校日記

【10月12日】明日への希望

公開日
2022/10/12
更新日
2022/10/12

Kのつぶやき

 朝から子どもたちの歌う声が校内に響き渡っています。とても心地よく、心おだやかになります。言い方はおかしいかもしれませんが、3年ぶりに御陵中に「合唱」がかえってきました。とても嬉しく思います。本番は来週金曜ではありますが、各クラスそれぞれに、頑張ってくれていると思います。もちろんうまくいかないこと、課題もたくさんあることでしょう。しかし、それを共に考え、悩み、話し合い、協力し、互いを思いやり乗り越えていくことにこそ、価値があります。そのことによってクラスの“団結力”も高まっていきます。ぜひ、どのクラスも世界にたったひとつのそれぞれの思いのこもった合唱をしてほしいと心から願います。

 さて、稲盛和夫さん著『心を高める、経営を伸ばす〜素晴らしい人生をおくるために〜』の「希望を失わない」からです。

 今でこそ私は、「心で思った通りに現象は現れる」と信じているのですが、社会人となったころは、やることなすことうまくいかず、とてもそのようには考えられませんでした。しかし、そんな苦しい中でも、私は明るさと希望だけは失いませんでした。これが今日の私をつくったと思います。
 そのころ私は、床が抜けそうなオンボロの寮の二階に住んでいました。畳の表もなく、わらがぼうぼうとむき出しの六畳間でした。そこに七輪と鍋を持ってきて、毎日自分で炊事していました。
 会社での研究も、人間関係もうまくいかず、日が暮れると、寮の裏の桜並木が続く小川へ一人で出かけていきました。そして、小川のほとりに腰かけて、唱歌の「ふるさと」をよく歌ったものでした。心の傷み(いたみ)が積もりに積もって、どうにもならなかったのです。私は思いきり歌うことで、自分を元気づけていたのです。そして気分を一新して、次の日にまた会社へ出かけて懸命に働きました。
 悩みは、いつでも、誰にでも、どこにでもあります。しかし、そういう状況の中でも、気分転換を図り、明日への希望と明るさだけは失わないようにしなければなりません。

 偉大な稲盛和夫さんであっても、何度も困難に直面し、悩みを抱えていたのです。それでも思いきり歌い自分を元気づけ、気分を一新する。そして、明日への希望と明るさを持ち続けたからこそ、数々の偉業を成し遂げられたということが、これらの言葉からわかります。それと同時に、若いときの稲盛さんを支えたのが「ふるさと」という歌であったことを知りました。
 私もそうですが、きついことや困難があると「何で自分ばかり…」とか、「これが夢だったらいいのに…」とか、「逃げ出したい」などと弱気になることもあるかもしれません。しかし、そんな気持ちとも向き合い、それぞれ自分の方法で、気持ちを切り替え前を向いて頑張りたいものです。
 私自身のことを言えば、子どもたちの素敵な歌を朝から聴ける…。それだけで幸せなことだと改めて思います。