学校日記

【11月16日】近悦遠来

公開日
2022/11/16
更新日
2022/11/16

Kのつぶやき

 永松茂久さん著『君は誰と生きるか』の中に「近くの人が喜べば、遠くから人が来る」というところがあります。永松さんと永松さんが師と仰ぐ斎藤一人さんのやりとりです。

「近悦遠来っていう言葉を聞いたことがあるかい?」
きんえつえんらい?何の四字熟語だろう?
正直、その言葉を聞いたのは初めてだった。
「いえ、初めてです。無知ですみません。それって有名な言葉なんですか?」
「いや、ほとんどの人が知らないんだよ。本当はこの言葉って教科書に載せてもいいくらい大切なことなんだけどね」
「どんな意味の言葉なんですか?」
「これはね、簡単に言うと、『身近な人が楽しんでいる場所には、結果としてたくさんの人が集まってくる』っていう意味なんだ」
「深いですね」
「うん。これはとっても大切なことなんだよね。そして驚くことに、この言葉が生まれたのは、約2500年前」
「はるか遠い昔ですね。中国ですか?」
「そう。確か孔子の弟子で子路って人の言葉だったと思う」
 人間というのは不思議な生き物だ。目に見える僕たちの生活はどんどん進化していくのに、かと思えば、何千年前の人の言葉で学べることがたくさんある。これは人間の生活自体は変わっても、人間の本質はたいして変わっていないという証明なのかもしれない。
「この近悦遠来の話でね、私の大好きな話があるんだよ。してもいいかい?」
「喜んで。ぜひ参考にさせてください」

 その後、斎藤さんは「石原裕次郎」さんに関するエピソードを語られたとのこと。要約すると、カリスマ俳優だった石原さんこそ、近悦遠来の達人。近くの人をとても大切にした。近くの人とは、仲良しの芸能人とか有名人とかではない。
 銀座などの店を貸し切って、自分の映画やドラマをつくってくれた照明さんやディレクターさんなどのスタッフ数十人を招待し、頻繁にご馳走していた。そのことを不思議に思ったある店員さんが、その理由を石原さんに尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「俺がこうしてテレビや映画に出られるのは、今ここにいるスタッフたちががんばってくれているおかげだからよ。彼らが楽しんでくれて、またがんばってくれれば俺もいい仕事ができる。やっぱりこういう人たちが俺にとっての宝なんだよね」
 その話に感動した永松さんに、斎藤さんは続けてこう言われたそうです。、
「だから裕次郎さんの出る番組には、スタッフたちがこぞって集まってきたし、みんな裕次郎さんのために誰よりもがんばろうとしたんだってよ。こういう話って生き方の勉強になるな」

 ちょっと長くなってしまいましたが、皆さんはどう感じられたでしょうか。自分の「損得」で人付き合いをしていないか?また、たとえ目立たなかったとしても、自分を支えてくれる人たちへの「感謝」の気持ちを忘れていないか?当たり前と思っていないか?…そんなことを振り返らせてくれるエピソードだと思います。
 私も、「近悦遠来」という言葉をこの本によって初めて知りました。大切にしたいです。