【11月17日】何があってもあきらめない
- 公開日
- 2022/11/17
- 更新日
- 2022/11/17
Kのつぶやき
昨日、テレビをつけるとサッカーの試合が放映されていました。何だろう、と思って観ていると、浦和レッドダイヤモンズとドイツ1部リーグのフランクフルトの「クラブ親善試合」というものが行われていました。その中に、とても懐かしい元日本代表キャプテンの長谷部誠選手が写っていました。長谷部選手で私がいつも思い出すのは『心を整える〜勝利をたぐり寄せる56の習慣』という本です。この本には、長谷部選手がサッカー以外の私生活で気を付けていることが56個書かれています。以前の学校便り等で、その本の中に書かれている長谷部選手が大切にしている一つの習慣を紹介しました。「整理整頓は心の掃除につながる」というところです。
「ドイツに『整理整頓は、人生の半分である』ということわざがあり、日ごろから整理整頓を心掛けていれば、それが生活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分と言えるくらい大切なんだ」
と書かれていました。このように一流の選手は、大切な心がけや心持ちを日々大切に過ごしていることがわかります。
同じくサッカー選手で「キングカズ」の愛称で知られる三浦知良選手がいます。先月もJFL最年長得点記録を自ら塗り替える55歳の現役選手です。私とほぼ変わらない年齢にもかかわらず、まだ現役の選手であり、なおかつ得点も決める。最年長得点記録の更新時のインタビューで、「60歳くらいまで現役を続けますか?」の問いに、「僕自身は70歳までプレーかなと思っています」とさらりと答えていました。三浦知良選手の凄いエピソードはたくさんありますが、その中の一つを紹介します(ご存じの方も多いとは思いますが…)。
とある小児病棟に慰問に行った時の三浦カズさん。普段湿りがちな入院中の子どもたち看護師さん達に大歓迎を受けカズさんはリフティングを披露して大歓声を受けていました。ただ、明らかにその輪に加わらないスキンヘッドの女の子がいました。
ふとした拍子にその子の姿がカズさんの視野に入りました。カズさんが話しかけましたが、その子は「サッカーに興味がない」と言い残し、車椅子で病室に去って行ったのです。看護師さんに聞くと、その子は白血病で抗ガン剤の副作用から髪の毛や眉毛が抜け落ちてそれから誰にも心を開かなくなったのだといいます。
しかしカズさんは見逃していませんでした。その子が去ってゆくとき小さな紙切れのようなものを落として行ったのです。カズさんがその紙切れを見るとこう書いてありました。
「試合いつもテレビで見ています。頑張ってください」
そうなんだ。きっと恥ずかしかったんだな。カズさんはそう思いました。そして、看護師さんに一枚の色紙をたくしました。その子へのメッセージです。色紙にはこう書いてありました。
『絶対に何があってもあきらめない』
次の試合のことです。ピッチに立ったカズさんの姿を見てみんながどよめきました。次の試合チームメイトやサポーターから大爆笑や野次がおこりました。新聞記者はこぞってこう書いたのです。
「キングご乱心」(※ご乱心…正気ではない)
そこにはクリクリ坊主で眉毛も剃ったキングカズの姿があったのです。その時には誰も知らない少女のためだけのカズさんによるピッチでのパフォーマンスだったのです。
この三浦選手の行為そのものが、この場合の正解とか不正解とかではないと私は思います。しかし、その少女のつらい思いやきつい思いを少しでもやわらげたい、そして病気に負けないで!って勇気づけるために三浦選手だからこそ考え行ったことです。三浦選手の人の気持ちを考えるやさしい心こそが素晴らしいのだと思います。三浦選手が、日本サッカー界のレジェンドと呼ばれるのはただ長く現役を続けているからだけではなく、こうした人の気持ちがわかる優しい心持ちや姿勢があるからだと私は思います。
日本サッカー界の発展に、間違いなく大きく貢献している三浦知良選手のサッカーに向かう情熱とひたむきな思いや姿勢を引き継ぎ、若い選手たちがたくさん育っています。球技が大好きな私にとっては、11月20日から始まるFIFAワールドカップカタール2022が楽しみです。日本選手の活躍と日本チームの快進撃を期待しています。