学校日記

【12月5日】凡事徹底

公開日
2022/12/05
更新日
2022/12/05

Kのつぶやき

 12月3日付、西日本新聞『春秋』からです。

 サッカーは偶然性が高いスポーツだとされる。ボール保持率が低くても、シュート数が少なくても、ゴールを多く奪えば勝ち。パスやシュートに対する味方と敵の反応とも予想は難しく、瞬時の判断と動きが勝敗を分ける。
 実力が比較的、結果につながりやすいラグビーや柔道、陸上競技などと違い、1996年のアトランタ五輪で日本がブラジルに勝った「マイアミの奇跡」のように「奇跡」と称される番狂わせは少なくない。ワールドカップで日本がスペインを倒し、決勝トーナメント進出を決めた。1次リーグ初戦のドイツに続き、優勝経験のある強豪国に逆転勝ちだ。日本時間午前4時のキックオフで寝ぼけ気味の目を覚ましてくれたのが、堂安律選手の同点ゴール。「これで1戦目が奇跡じゃなく、必然で勝ったと思ってもらえる」。ドイツ戦に続く同点弾と勝利を、そう表現した。
 新しい力が台頭するには王者や実力者を倒さなければならない。「1回はまぐれでも勝てる。勝ち続けるために大切なのは2連覇目です」。柔道で五輪5大会連続のメダルを獲得し、世界選手権6連覇をはじめ国内外の大会で頂点に君臨した谷亮子さんに聞いた言葉を思い出す。
 スペイン、ドイツから挙げた2勝を「奇跡」とは呼ぶまい。「サムライブルー」が刻みつつある新たな歴史の目撃者となったことを喜び、目標の8強以上が懸かるクロアチア戦を楽しみたい。

 FIFA公式サイトでは、ボール保持率は日本が16%、スペインが74%、奪い合う場面が10%と発表されています。圧倒的にボールはスペインチームが保持していたにもかかわらず、日本チームは、わずかな時間帯で2点をもぎとり勝利に結びつけたということです。これは、W杯史上、記録に残っているところでは、「史上最低の保持率での勝利」だそうです。やはり、諦めずに走り、相手へのプレッシャーをかけ続け守り切り、少ないチャンスをいかした日本チームの戦いが素晴らしかったということだと思います。体力も相当消耗しながら「絶対に勝つ!」という強い意思を持ち続け戦った試合だったのだと思います。
 もう一つ、今朝の西日本新聞の1面に、スペイン戦がW杯デビュー戦となったセンターバックとしてフル出場し、手堅い守備で勝利に貢献した谷口彰悟選手のことが載っていました(一部抜粋)。

遅咲きのディフェンダーを支えているのは熊本・大津高で学んだ「凡事徹底」の精神だ。凡事徹底は、大津高を全国有数の強豪校に育てた平岡和徳監督(57)が「当たり前のことを他人よりも一生懸命やり抜くことが諦めない心を育てる」と部員たちに伝えてきた言葉。入学当初、体が細く高校トップの当たりの強さに苦戦した谷口は、毎朝6時からの自主練習で必ずタイヤを引いてダッシュした。
 チームメイトだった大塚祐輝さん(31)は「他の選手もやったけど続かなかった。『やると決めたら』と3年間やり続けた彰悟の強い意志を感じた」。たくましくなった谷口は2年生から主力に定着。年代別の代表候補にも選ばれ、筑波大を経て2014年に入団したJ1川崎でも1年目から主力として活躍した。
 15年に初めて入った日本代表では海外で活躍する選手の技術の高さに圧倒され、17年を最後に代表から遠ざかった。それでも「守備での駆け引きや細かい位置取りは海外よりJリーグの方が要求は高い。丁寧にやり続けることこそ凡事徹底」と信じ、4度のJ1制覇で自信を付けながら昨年代表復帰した。…(後略)…

 御陵中が大切にしてきた「凡事徹底」の言葉を新聞のタイトルに見つけ、なんだか嬉しくなりました。やはり、「小さな事を徹底して続ける」「当たり前のことを、他の追随を許さないぐらい取り組み続ける」ということがいかに力となっていくかを谷口選手も証明してくれています。
 私も含め子どもたちにも、志をもって粘り強く徹底して続けること、日常の当たり前を大切にしていくことを、これからも心がけていきたいと思います。
 いよいよ、今日の深夜、日本チームが目標としてきたベスト8の壁に挑みます。自分を信じ、仲間を信じ、最高の内容で、最高の結果が出ることを心から願っています。