学校日記

【1月19日】今ある仕事も…

公開日
2023/01/19
更新日
2023/01/19

Kのつぶやき

  1年生、2年生がキャリア教育の一環として、総合的な学習の時間を使い「キャリアタイム」と称し、職業や仕事について、また、夢の実現へ向けて必要なことなどを自分たちで調べ学習することに取り組み始めています。
 「仕事(雇用)」と言えば、2014年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文が世界中に衝撃を与えました。コンピュータの発達による自動化(AIロボット化)が急激に進み、人間が必要なくなってしまうと発表したのです。これはまったく大げさなことではなく、皆さんも様々なところで、このような話を実際に聞かれているだろうし、実際に自動化されていっているものがたくさん出てきています。無人のコンビニや無人バスの運行、製造業においては次々にロボットが人に変わってもの作りをしている状況です。
 オズボーン氏らは、601種類の職業についてAIに代替される確率を試算しました。その結果によると、10〜20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業は、AIに代替することが可能と推計されています。要するに、半分の職業がなくなるということです。

 日本教育新聞の「管理職の独り言」という欄に、関連した内容で、小学校の校長先生の言葉が載っていました。

 「今、自宅に着きました」。次々と職場体験を終えた中学2年生から電話がかかってくる。近い将来、社会へ羽ばたく生徒が自分の人生を考える上で、実際に働く体験をすることは大いに意義がある。
 ところで、そんな職業観が大きく様変わりしている。例えば、小・中学生が憧れる職業には、時代を反映してユーチューバ−が上位にランクされている。では、生徒が「楽しそうだからユーチューバ−になりたい」と言ったら、どう答えるだろうか。多くの方は「そんなに甘いものではない」「不安定な仕事だ」など、どちらかといえばネガティブな発想が浮かんでくるのではないだろうか。一方で、私たちは「あなたたちの未来には無限の可能性がある」「諦める前にチャレンジしよう」と語りかけている。
 私自身は娯楽や学びのツールとして大いに利用しているにもかかわらず、そのような場面に遭遇すると、安全や安定を優先して、チャレンジしようとする意欲に水を差してしまいそうになる。
 私を含め、大学を卒業して教員になった人は、これまで学校という組織の中で生きてきた。異なる職業を経験していないという事実が、どこかで職業選択に歯止めをかけているかもしれない。2014年にオックスフォード大学のオズボーン博士が発表した論文「雇用の未来」には、「約5割の仕事がAIや機械によって代替えされる」と書かれている。あれから9年が過ぎた今、無人店やセルフレジが増え、スマホ一つで買い物をはじめ多くのことが実行できるようになった。
 大切なことは、職種や職業観が変わっていく事実を受け入れつつも、私たちの培った知恵と経験を役立てる方法を模索すること。さらには先入観で否定する前に、その世界をのぞく勇気を持つことかもしれない。ちなみに、オズボーン博士の論文で、なくならない職業の上位に教員があった。この仕事に誇りと勇気を持って前に進んでいきたい。

 新しい仕事が時代とともにどんどん出てきます。新聞やテレビなどを観ていてもその方の肩書きや仕事名で「え?それってどんな仕事?」と思うことがよくあります。コロナ禍になって、新たに増えた仕事もあります。そう考えると、私たちが知らない仕事が本当にたくさんあるということです。そして、オズボーン氏が言っているように、今ある仕事でもいつなくなるかわからないし、また新たな仕事もどんどん生まれてくるのだと思います。ただいえることは、どんな仕事であっても、誰かのため、社会のため、地球のためのかけがえのない仕事だと思います。ですから私たち大人は、「どうせ無理」「あなたは無理」でなく、どうしたらなれるか、何を頑張ればいいかなどを一緒に考えてあげたり、励ましてあげたりすることの方が大切かもしれません。今回の1・2年生の「キャリアタイム」においても、仕事の多様性、価値、やりがい、必要な力などについて、子どもたちがたくさんのことを学び、自分の夢や志について改めて考える機会になればと思います。保護者の皆様も、「仕事について」「やりがいや生き方について」など、様々なことをお子様とも話していただければ幸いです。