学校日記

【2月27日】損失回避バイアス

公開日
2023/02/27
更新日
2023/02/27

Kのつぶやき

 来週、公立高校第一志望の子たちは一般入試の受検となります。最後の最後まで努力を続け、ぜひ合格してほしいと願っています。また、3年生が御陵中へ登校するのも今日を含めてわずか9日です。少しでも多くの時間、友だちと関わり、中学校生活の残りの時間を大切にしてもらいたいと思います。

 さて、塚本亮さんの『努力が報われる人と報われない人の習慣』から、「努力が報われるひとは失敗も栄養にし、報われない人は起こってもいない失敗を恐れる」から、一部抜粋して載せます。

 「失敗と書いて、成長と読む」
 これは元プロ野球監督・野村克也さんの言葉です。
 何かにチャレンジするとき、「こうやって失敗をしてしまったらどうしよう」「失敗して恥をかいてしまったらどうしよう」「うまくいく確率が低そうだからやめておいたほうがいいかな」というネガティブな思考が頭を駆け巡ることがあります。今の私だってそうです。誰だって失敗が好きなわけがないし、失敗よりも成功の方が嬉しいに決まっています。でも、失敗しないことを優先するならば、何もしないのが一番。何もしなかったら失敗することはありませんから。ただ、何もしなかったら成長することはありません。
 私が何かにチャレンジするときの判断基準は「うまくいくかいかないかより、成長できるかどうか」。短期的に見ると、たくさんの失敗やミスをおかしてしまうかもしれません。恥をかくことがあるかもしれません。しかしすべての体験から学ぼうと考えれば、何もかもプラスに変えることができます。「それをやってみることで、どんな学びが得られるであろうか」という問いを自分に投げかけるようにしています。…(中略)…
 冒頭にあげた野村監督は、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉も残しています。不思議の負けがない、必ず原因があるということですよね。「成功か失敗か」にしか意識がいかないと、人は損失回避に走りやすくなります。これを心理学では損失回避バイアスと言います。有名な認知的バイアス(偏見や先入観、固定観念のこと)のひとつですね。成功することより、失敗を避けることを重視してしまうのは、自然な心の働きなのです。

 ついつい、失敗しそうだからせっかくのチャレンジできるチャンスを自らやめたり、いいことであっても失敗したら恥ずかしいからしなかったりすることは、私を含め多くの人が経験があるかもしれません。今でも私は考え悩むことがあります。しかし、踏み出さない限り、何も生まれないのです。踏み出さないことは、成長するどころか、後退に繋がっていくことだと思います。塚本さんはこうも言っています。
「自分の人生を大きく俯瞰(ふかん:広い視野で物事を見たり考えたりすること)してみると、その時々の失敗はたいしたことではない。それよりも真剣な失敗が増えれば増えるほど、誰かの役に立てるようになる。うまくいってもいかなくても、そこから何を学ぶのか。そしてそれを人の役に立てようと思えば、目の前の失敗は大きな価値を持つのではないか」
 「いい加減な失敗」ではなく、「真剣な失敗」は大きな価値を持つ。まさにそうだろうと思います。私たち大人も、子どもたちに負けないような真剣なチャレンジ、真剣な失敗をしながら、もっともっと誰かの役に立てるようしていきたいと思います。