【3月15日】小さなことを…
- 公開日
- 2023/03/15
- 更新日
- 2023/03/15
つぶやき
今日は、公立高校の合格発表でした。多くの子がこれで、進学先等が決定して動き出します。以前、紹介したこともありますが、私がずいぶん前に参加させてもらった全国進路指導研究大会で講演された方の言葉…
『どのような道を選んだかで一生の価値が決まるわけではない。たとえそれが、第二、第三希望の道であってもその道をどう歩いたかで人間の価値が決まる。自分自身の努力のあとが、大きな広い道として続くようなそんな生き方をしたいものである』
卒業生の皆さんが、それぞれの場所で、それぞれの思いや志をもって、自分自身の道を精一杯に歩み、輝き続けてほしいと思います。
さて、こんな言葉があります。
『小さなことができる人は信頼され、仕事ができると評価される』
これは、松下幸之助さんの言葉です。このことについて、経営コンサルタントの小宮一慶さんは著書『松下幸之助のパワーワード』の中に次のように書かれています。
時が来ないと成らないことが、世の中にはあります。冬の間に桜の木がエネルギーをためているように、人も、花がさくときを、じっくりと待つことです。「チャンス」の対の言葉は、「準備」です。準備を念入りにすればするほど、時が来たら、大きな実がなるのではないかと思います。同時に、準備の際には小さなことをおろそかにしてはいけません。中国の思想家・荀子の言葉にも、「着眼大局・着手小局」があります。
大きなことを成し遂げるためには、大きなビジョンを持って準備を進めることも大事ですが、まず、身の回りの小さなことをきちんとやってゆくことです。小さなことをきちんとできない人は、何事もうまくいかない。私は創業経営者で大成功した人とを何人も知っていますが、例外なく、気配りの利く人ばかりです。小さなことに気づき、それがきちんとできる。だから、大きなこともできて、人の上に立てるのです。
私の知り合いの敏腕経営者が、よく言っています。
「会社の中でゴミが落ちているとか、コピー機のフタが開いているとか、気づくのはだいたい私なのですよね」と。大変に多忙でも、オフィスのフロアの細かい部分にまで、普段から目が行き届いているのですね。逆に言えば、だから経営者になれたとも言えます。
幸之助さんもあれほどの大企業のトップでありながら、細かいことによく気がつかれたと聞きます。何でも秘書任せにしたり、部下に押しつけるような方でしたら、あれほどの人望を集めることはできなかったでしょう。ご自身が小さなことをおろそかにされなかったので、周りの人たちも見習うようになり、それがよい社風へと繋がっていました。
その上で、小さなことをきちんとできる部下を集め、重用していたことで、さらに社員が小さなことをおろそかにしなくなるという、プラスのスパイラルを生んでいたのです。
小さなことをおろそかにしたり、いい加減にするようではよろしくないということです。どんなに小さな仕事でも地味だと思えるような仕事でも、きちんと誠意をもって取り組むことが信用につながる。そして、そういう小さな積み重ねの中で信頼され、また次の仕事を任される。それと同時に「気が利く」、私はよく「目配り・気配り・心配り」という言葉を使いますが、そういう方はまたさらに信頼されるし、周りにも人が集まるのではないかと思います。
未熟者の私は、自分への戒めとして、松下さんの言葉、小宮さんの言葉を受け止め、「小さなことも大切にする仕事の仕方」「誠意ある仕事の仕方」、そして何より「目配り・気配り・心配り」ができるよう、精進したいと思います。