【7月17日】心がけ
- 公開日
- 2025/07/17
- 更新日
- 2025/07/17
校長のひとりごと
人間学を学ぶ月刊誌『致知』8月号の特集に「日用心法(にちようしんぽう)」というページがあります。そこに次のようなことが書かれていました。
日用心法とは、日常生活を送る上でどういう心の工夫、生活習慣に心がけているか、ということである。その在りようが人生の質・充実度を決める要(かなめ)になるという意味で、どういう日用心法を持つかは大事なことである。よき人生を生きた人はよき日用心法を実践した人だ、ともいえる。
そこに映画評論家の淀川長治さんのことが載っていました。
テレビ全盛の時代、「日曜洋画劇場」があり、その解説を担っていたのが淀川さんだが、最後を独特の笑顔で「サヨナラ、サヨナラ」と締めくくり、人々の心を和ませた。その淀川さんは毎朝、必ずしていることが一つあった。それは毎朝、目がさめると、
「きょうは○月○日(その日の日付けをいう) きょうという日は一度しかない きょうも一所懸命生きよう だからニコニコしていこう」。
多くの人の心を和ませた笑顔は、淀川さんの日用心法の賜であったことがこの話からうかがえる。
私もよく、「日曜洋画劇場」を観させていただきました。表情豊かに独特の言い回しで解説される淀川さん。そして最後はいつも「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」と3回言われ、番組が終了する。自然とこちらまで笑顔になっていた気がします。そんな淀川さんが、今日一日を精いっぱいに生きることを意識されるためにされていた毎朝の習慣を、私は初めて知りました。
また、淀川さん以外の方の言葉も『致知』には載っていました。いくつか紹介します。
◆済んだことをくよくよせぬこと 滅多なことに腹を立てぬこと いつも現在を楽しむこと とりわけ人を憎まぬこと 未来を神にまかせること[ゲーテ(ドイツの詩人)]
◆いかなる時にも 自分は思う もう一歩 今が一番大事な時だ もう一歩[武者小路実篤(作家)]
◆うまくいくもいかないのも、それはすべて自分に責任があると考えたほうがいい。外に原因を求めている間は決してうまくいかない[松下幸之助(パナソニック創業者)]
◆暗いところばかり見つめている人間は、暗い運命を招き寄せることになるし、いつも明るくと考えている人間はおそらく運命からも愛され、明るく幸せな人生を送ることができるだろう[新井正明(住友生命名誉会長)]
◆人間は暗いと失敗をする。陰気な人間は失敗する。明るい人が成功する。人の長所を認める人が明るい。 自分の未来において立派な明るい未来像をかける人。先のことはわからない運命である。それゆえにこそ、未来に立派な明るい目標を立てること[稲盛和夫(京セラ創業者)]
生きていればいろいろなことが起きます。いいことばかりではなく、辛いこと、苦しいこと、悲しいこと…様々です。だからこそ、日常の良い習慣や心がけ、心の持ちようをどのようにしているかが大事なのだと思います。私自身も今一度、振り返りたいと思います。
※昨夜そして今日、嬉しいことが…
先ほど、十数年前に福岡県選抜チーム(中学生男子バレーボール)のスタッフを一緒にさせていただいた先生からお電話をいただきました。実は私もその先生に電話をしようと思っていたところでした。というのも、昨日から始まった「男子バレーボールネーションズリーグ日本ラウンド(昨日はドイツ戦)」にそのときの選手がレギュラーとして出場しているのです。その活躍をテレビで観ながら、本当に嬉しく感じるとともに、中学時代のことを思い出し、懐かしくなっているところでした。私の尊敬するその先生は、監督として選抜チームを率いて、バレーボールだけでなく人として大切なことをたくさん教えてくださった先生です。その先生との出会いが私にとってはもちろんですが、その選手にとってもとても大きいものであったと思っています。そこでの教えを土台として、強豪校に進学し、高校、大学…そして社会人になっても様々な人との出会いの中で自分を磨き続けた結果が、今の姿に繋がっていると思います。そんな思いを共有できる尊敬する先生からの電話は、私にとってはとても嬉しいことです。今も現役で、教師として、素晴らしい指導者として頑張られています。そんな先生からの電話が嬉しかった私は、夏休み中に会いに行こうと思っています(^_^)
(ひとりごと 第1061号)