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【10月14日】あのね…

公開日
2025/10/14
更新日
2025/10/14

校長のひとりごと

 先日、ホームページも載せていた「東コミれくスポ祭」。その写真にも写っていますが、現生徒会長で3年生の竹之内凜さん。先月行われたまどかリンピックにもボランティアとして参加していたので「今日も、ボランティアに来たの?素晴らしいね!」と私が言うと、『今までは、部活動とかで忙しくてなかなか参加できなかったので、今は時間があるので来てます!』と笑顔で答えてくれました。3年生の2学期は、進路実現へ向けて休日でも忙しかったり、落ち着かない時期でもあったりして、なかなか3年生がボランティアに出席することも少なくなってきます。そんな中、「今まではあまりできなかったので…」と、当たり前のように参加している竹之内さんにまた感動してしまいました。地域のために自分のできることを自然にできる姿は本当に立派です!

 また、昼休みに先日の福岡県新人陸上競技大会男子3000mで第3位の梶原樹斗さんと陸上部部長の柏木仁吾さんが、応援のお礼と明日の筑前地区駅伝競走大会の案内に来てくれました。これからも日頃の生活を大切にしながら努力を続けてほしいと話をしました。それにしても、礼儀正しく謙虚で、素晴らしい心がけの二人には感心させられます。

 さて、今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。


 「せんせい、あのね」で書き出す作文は、今や全国の小学校で知られている。神戸市の小学校教員だった故 鹿島和夫さんが半世紀前に始めた。受け持ったのは主に1年生。「あのね帳」と名付けられた先生との交換ノートに、子どもたちは毎日心のつぶやきをつづった。衝撃の告白も。

〈しっこしようとおもって ずぼんをぬごうとしたら ぱんつをはいてなかった だれもわからへんのに はずかしかった〉

 先生への苦言も。

〈せんせいは わたしがだいすき とかいていました だけど せんせいは みほじゅんがすきなんでしょう おかあさんがおしえてくれました せんせいは あつかましいです〉

 授業中に怒ってばかりの先生は嫌い。でも

〈たいいくのとき おしりをふって いっしょにおどってくれるせんせい〉〈そんなせんせいが だいすきです〉

 鹿島さんは自らありのままの姿を見せ続けた。そうすれば子どもも自分をさらけ出してくれる。「結局はぼくが子どもの世界に入り込むことができるのです」と自署に書いている。

 本当は多くの先生もそんな濃密な時間を過ごしたいのでは。小中学校の教員の仕事時間は、今回も日本が世界最長…。先日公表された国際調査の結果は厳しかった。記事で若い先生は「子どもと向き合う以外の業務が多く、もう手いっぱい」と嘆いていた。もっとゆとりを。きら星のような「あのね」が届くように。


 私の教師1年目の苦しい状況の中、私を救ってくれた子どもたちのことを4月10日のひとりごとにも載せました。自分の学級に行くことも苦痛になり、「『先生』という仕事を辞めたい」と思っていたとき、私を勇気づけ元気づけたのが、子どもたちの生活ノート(毎日の記録)のあたたかいメッセージでした。「先生、無理しちゃだめですよ」「先生、ぼくは先生の味方です」「先生、私にできることはなんでも言ってください」…。わずか12、13歳の子どもたちに励まされる私…。でもそれが今の私につながっています。

 それと私は、その頃から「班ノート」というものも行っていました。班に1冊ずつ大学ノートを渡し、基本一人1ページに、友だちのこと、クラスのことなどについて感じたこと、感動したことなどを書いてきて、私に提出。そして、次の人へ毎日回していく…。数行しかない生活ノートの一言コメントでは書けない内容もたくさん書いてきてくれる子もいて、それが子どもたちの繋がりを深め、時にはクラスの問題提起につながったりもしました。また私は、班ノートの内容を学級通信に載せ、保護者にも広く知っていただくようにしました。さらに、途中からは「保護者より」の欄を作り、保護者からのコメントや感想、激励をいただき、それをまた学級通信に載せていきました。子どもたちのことを保護者がどれだけ愛し、どれだけ心配し、どれだけ支え応援しているかを子どもたちが知ることにもつながってほしいという思いからでした。

 子どもたちは「宝」。未来を担い、未来をつくる子どもたち。そんな子どもたちを私たち教師も保護者も地域も一緒になって関わり、支援していく。そのためにも、私たち教師が子どもたちにより多く関わらなければと思います。ところが学校では、様々な課題があります。もちろん、事務的な仕事もありますが、近年、多くの学校で問題になっているのが、子どもたちのSNSに関連するトラブルです。先生方は、そのことにどれだけの時間を費やしているのか…。数時間ではありません。数日、数週間と続くことがあります。そのことで心身ともに疲弊することも多々あります。もっと社会全体で、この問題も解決しなければ、先生たちが本来やるべき、またはやりたい仕事ができない。子どもたちとのよい意味での関わりが十分にできなくなっている状況も出てきています。もっと、ゆったりとゆっくりと…そんな教育ができればと思いますが…。

 あのね、課題は山積みです。でも…頑張ります!


(ひとりごと第1092号)