【11月12日】「学び」を止めない
- 公開日
- 2025/11/12
- 更新日
- 2025/11/12
校長のひとりごと
言語学者の堀田秀吾さん著『科学的に証明されたすごい習慣大百科』の「勉強するのに遅すぎるということはない」からです。
年齢を重ねてくると、どうしても体力や記憶力は衰えていきます。昔は簡単にできたことができなくなると、戸惑いや不安が押し寄せ、自信を失ってしまうきっかけにもなってしまいます。しかし、衰えてしまうのは自然の摂理なのですから、過度に落ち込む必要なんてありません。「そんなもんだよね」と深く考えないことが大切です。
ハーバード大学が行った共同研究によれば、「50歳を過ぎてからピークを迎える能力がある」ことが明らかになっています。研究は4万8000人を超える老若男女を対象にオンライン上から集めたサンプル(アンケート回答や実施されたIQテストなど)を元に分析しました。その結果、記憶力に関するテストでは、若い被験者に劣る結果が明らかになる一方で、「他人の感情を目を見るだけで正しく認識する力」において、50代の成績がもっともよかったことがわかったといいます。
亀の甲より年の功。
50年も生きていれば、酸いも甘いも嚙み分けていますから、他人の感情を察知する能力に秀でるわけですね。
私は、目を見れば相手の感情がすべてわかるわけではないですが、目や表情から嬉しそうなのか、悲しそうなのか、不満なのかは少しはわかるような気がします。そして、たくさんの子どもたちや保護者の方も含め、たくさんの人と出会わせていただいたので、余計に敏感になっているかもしれません。そして私自身が気が小さく、幼い頃から人の顔色がやたらと気になる性格なのかもしれません。まぁそれでも表情からわからないことも多々ありますけどね…。
先ほどの堀田さんの文章の後半には次のようなことが書かれています。
言語力や空間推論力、抽象的推論力などは中年以降も向上し、語彙力のピークは60代後半から70代はじめに達するという驚きの結果も明らかになっています。この検証では、認知能力のピークが、世代によってかなり差異があることがわかっています。成人の早い時期にいくつかの認知能力が安定するため、30代になると低下しはじめる人もいます。ただし、あくまで安定するだけであって、ピークを迎えるわけではありません。なかには50代近くなってピークを迎えるものもありますから、裏を返せば、勉強することに「遅い」ということはないのです。
歳をとることは「衰えていること」ではなく、「一歩先に進むこと」だと解釈してください。たしかに記憶力や頭の回転の速さは衰えていくでしょう。しかし、人間的な豊かさを形成する能力は60代になっても伸びていきます。そのためには、インプットとアウトプットを繰り返す習慣を身につけることが大切です。本を読む、友人と会話をする、映画を観る…何気ない日常のアクションが、勉強するための素地となります。いくつになっても勉強することに意味はあるのです。
私自身に勇気や自信を与える言葉ばかりが並んでしました。私は、このひとりごとを続けながら、自分の勉強不足や未熟さを感じることばかりです。ですから、本を読み漁ったり、映画を観たり、多くの方と出会わせていただき、様々なお話をさせていただく中で、新たな学びがたくさんあります。そして、新たに知ったこと、感じたこと、改めて思うことなどをまたひとりごとにアウトプットさせていただいています。
人の名前が出てこない、先ほど「すぐに取り組まなければ…」と思っていたことも別件の電話等があると、「あれ?何だっけ…」と思うことが多々あって、「だめだこりゃ…」となります。しかし、これからも「学び」を止めず、インプットとアウトプットを大事にしながら「人としての豊かさ」を磨いていきたいと思います。
[ひとりごと 第1112号]