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【1月28日】可塑性

公開日
2026/01/28
更新日
2026/01/29

校長のひとりごと

 昨日午後は、県内の60名ほどの副校長・教頭先生方の前で、話をする機会をいただきました。1時間の予定がしゃべりすぎてしまいついつい時間をオーバーしてしまいました。これまでの私の教員人生、初任者のとき、教諭時代、主幹教諭や教頭として、校長として心がけたこと、取り組んだことなどについて話をさせていただきました。少しでも先生方の参考になることがあれば幸いだと思います。聞いてくださった副校長先生方、教頭先生方、本当にありがとうございました。

 さて、1月26日付、本教育新聞のコラム『不易流行』からです。


 地名には、東西南北の方角が付されていることがある。あるとき、南を冠した地名からさらに南へ進むと、北を冠した地名となった。南に進んだにもかかわらず、なぜ北となるのだろうか。考えてみると、ある地域の南の端は、次の地域から見れば北の端であった。物事は見る位置によって、真逆にもなることを地名が物語っている。

 人間関係においても、その人をどの位置から見るかによって、評価が全く違う場合がある。児童・生徒間のトラブルも、一方からの訴えだけを聞いた直後と、もう一方から事情を聞いた後では、随分見え方が変わってくる。どちらかの考えが、全く理解できないことはまれであり、双方に同情の余地がある場合が多い。

 懐疑的という言葉からは、どこか疑り深い印象を受ける。恐らく、人に対して懐疑的な態度は歓迎されないだろう。しかし、自身に対して謙虚に懐疑的である人は、内省的で変化を受け入れる柔軟性がある。自分は絶対に間違っていないという考え方は一元的思考だ。理解できないことを無価値とすることなく、自身の考えを改める可塑性(かそせい:新しい情報や状況に合わせて自分の考えなどをアップデートできる能力)は大切にしたい。対人関係の課題は、即座に解決できるものではない。お互いが、自身の考えに固執することなく「相手の立場で考える」ことで。南に居ながら北が見え、北に居ながら南が見えるようにもなるだろう。


 人をある一面だけで見ると、その見方は本質と大きくずれていることがあります。考え方ひとつとっても、自分の考えがとても「狭い」考えであったり、一部だけの知識や見方によって偏ったりしていることもあります。やはり、多面的に物事を見たり、多くの情報の中から取捨選択し、考えていくことが大切なのだと思います。

 子どもたちも様々です。みんな違うからいいのです。もちろん、思春期の子どもたちは、時に心配な行動をとることもあります。その行動には問題があるかもしれませんが、その背景や要因、状況を十分に考えながら私たちは支援していかなければならないと思います。そのときに、学校と保護者が共通理解の元、事にあたっていくことが子どものためになります。私たち大人も「相手意識」をもちながら、子どもにとって「最善」は何なのかを互いに共有しながら、子どもたちの健やかな成長を応援していきたいものです。

 人は皆、かけがえのない「よさ」をもっています。そのよさに気づく感性、柔軟な考え、相手を思いやる気持ち、そしてしなやかな心をもって、よりよい人間関係を築いていくことがやはり大切ですね。


(ひとりごと第1154号)