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【2月4日】無限の可能性

公開日
2026/02/04
更新日
2026/02/04

校長のひとりごと

 人間学を学ぶ月刊誌『致知』3月号「巻頭の言葉」に、JFEホールディングス名誉顧問の數土文夫(すどふみお)さんが書かれたものが載っていましたので一部紹介します。


「後生(こうせい)、畏(おそ)るべし。いずくんぞ来者(らいしゃ)の今にしかざるを知らんや[論語]」

 標題は、約2500年前、中国は古代春秋戦国時代の偉大なる思想家で儒教の創始者たる孔子の言です。拙訳は以下の通りです。

「自分たちより後に生まれてきた若者(後生)が将来どんな大人物、畏敬(いけい)すべき人物になるか計り知れない。我々の後に続く者(来者)がいまの我々に及ばないなど、どうして知れようか。彼らには無限の可能性がある。侮(あなど)らずに敬意と愛情をもって接すべきだ」

 この章句は儒教の根幹となる教え、「仁」に通ずるものと考えます。孔子は愛弟子の一人、仲弓(ちゅうきゅう)に「仁」とは何かと尋ねられ、「己の欲せざるとこと人に施(ほどこ)すなかれ」と即答しています。相対する者との間に共感の念があれば、組織でも教育の場でもすべての対人関係は円満になると。年長者が自らの主張に固執し、後輩の斬新なアイデアや心意気を軽視し、却下すれば、社会や学術の進歩はなくなります。この言葉はまた、後輩、若者にとっては反語でもあります。一度や二度の否定や拒絶にあっても簡単に引き下がるな、諦めるな。自らの確とした志、覚悟をもって挑戦し、殻を破り、新境地を開けと叱咤激励しています。そして「知新」、新しきを知る重大さを説いているのです。儒教の総帥(そうすい)である孔子の面目躍如(めんもくやくじょ:世間の評判や名声にふさわしい活躍をすること)たる見識だと思います。…(後略)…


 人間の可能性なんて誰にもわからないと私は思っています。どこまで伸びるか将来どうなっているか到底想像もつきません。ですから子どもたちに言います。

「君たちには無限の可能性がある。どこまで成長するかなんて誰にもわからない。だから、『どうせ自分なんて…』『自分には無理…』と決めつけないでほしい。そうやって自分の可能性を自分でつぶさないでほしい。もちろん、すぐに成長したりうまくいったりするわけじゃない。努力しても努力してもうまくいかないことがある。何度も失敗する。でもその失敗こそが次への力や糧(かて)になる。また次へ向かって頑張ればいい。だからどんどん一生懸命の失敗をしていい。そして、『私はできる! きっとできる! いつかできる!』、そう信じて粘り強く取り組んでほしい。君たちはみんな凄いんだよ。一人一人がかけがえがなく、誰にもないよさをもっていて、どこまでも伸びていく存在なの。だからかけがえのない命を大事にして、その命を精一杯につかって伸びていってほしい…」。

 そんな話をいつもしています。実際、中学校での3年間の子どもたちの成長にはいつも驚かされます。こんなにも成長するのか、と感心させられるとともにとても嬉しい気持ちがします。そしてその子たちが大人になったときに出会うとより一層、「人間の可能性なんて誰にもわからない」と改めて思います。だからこそ、孔子も言っているように「敬意と愛情をもって接すべきだ」と思います。

 子どもたちには、「志」と「しなやかな心」をもってこれからも「地域・社会に貢献」し、自分を信じ、周り人と協力しながら、大きく羽ばたいてほしいと思います


(ひとりごと第1159号)