【2月6日】DNA
- 公開日
- 2026/02/06
- 更新日
- 2026/02/06
校長のひとりごと
昨日の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。
芥川龍之介に「比呂志との問答」と題する小文がある。後に俳優として活躍する長男比呂志さんとの実際のやり取りと思われる。
僕は鼠(ねずみ)になって逃げるらあ
ぢや、お父さんは猫になるから好い
さうすりや こっちは熊になつちまふ
熊になりや虎になつて追つかけるぞ
何だ、虎なんぞ。ライオンになりや何でもないや
龍之介はこのあと龍を持ち出すが、百獣の王ライオンを先に口にした時点で、強い動物選びは息子の勝ちだろう。
童心をくすぐられるニュースが届いた。数万年前の日本にライオンが生息していたことが分かった。日本を服務国際チームが発表した。従来は虎とみなされてきた亜化石のDNAを解析したところ、絶滅したホラアナライオンと一致したという。ユーラシア大陸に生息した種が、氷河期で海面が低下し、日本北部が大陸とつながっていた6~7万年前以降にやって来たとみられる。亜化石は青森、静岡、山口で見つかっている。列島の広い地域で、石器を振り回していた頃の日本人を脅かした可能性がある。熊や虎より強いやつがいる、と語り合ったご先祖もいただろうか。
こういう話題が出るたびに私が思うのは、化石からDNAを抽出・分析するその技術の素晴らしさです。古代DNA分析とか古ゲノム学と呼ぶそうですが、人類の探究心、研究心の素晴らしさ、近年の技術革新にはいつも驚かされます。以前は「化石=石ころ」の時代から「化石=情報のハードディスク」となって、様々なことを読み解けるようになったそうです。
今回のこのニュースについていろいろなところで調べてみると次のようなことが書かれていました。
日本で発見された大型ネコ科動物の化石は、日本という場所から考えて「トラ」だと思われてきました。しかし今回の発表は、日本には「ホラアナライオン」という巨大なライオンがいたという事実です。長らく教科書に事実として書いてあったことが、大きくくつがえされることになったということです。ホラアナライオンは、最大で体長2.5m、体重400kg、現在生息するライオンの2倍近くになるそうです。そんな巨大なライオンが日本各地にいたということを想像するだけで驚きます。なお、ホラアナライオンの名前の由来は、多くの化石が「ほら穴(洞窟)」から見つかっていることからとのことです。また、ライオンのオス特有のたてがみはなかったか非常に短かったか、さらには、色は雪にまぎれるために「白」だった可能性もあるとのことです。
地球が誕生したのは46億年前、海の中に単細胞生物(バクテリアなど)が誕生したのがそれから数億年後、多細胞生物が誕生したのが10億年ほど前、5億年前ほどには動物が爆発的に深化、恐竜の時代を迎える。人類が誕生したのは、それからずっとあとの700万年前ということです。生成AI「Gemini」で、「地球の歴史を『1年』に例えたら?』を教えてもらいました。
■1月1日:地球誕生 2月中旬:生命誕生 11月中旬:動物が爆発的に増える(カンブリア爆発と呼びます) 12月13日:恐竜が登場 12月26日:恐竜が絶滅 12月31日午後11時37分:ホモ・サピエンス(現代人類)誕生
だそうです。また、人生100年時代と言われる私たちの一生を地球の歴史と比較するとなんと、「約0.68秒」だそうです。一瞬ですね…。Geminiはさらに教えてくれました。
■地球の歴史の中では、人間はちっぽけかもしれませんが、DNAレベルでみると、約38億年前に誕生した最初の生命から一度も途切れず受け継がれてきたもので、地球の歴史の約82%を生き抜いてきた超ベテラン。そして、厳しい地球の歴史の中をも生き抜いてきた「最強の生存記録」が刻まれている。今回のホラアナライオンのDNAが数万年経っても解読できたのは、この情報の仕組みがタフだから…
やはり、DNAってすごいですね。そして、気が遠くなるほど長い地球の歴史からすれば「一瞬」しか生きない人間でも、その一生はやはりかけがえがなく、大切な「一瞬、一瞬…」なんだと私は思います。子どもたちにも、長い歴史の中で奇跡的に誕生した私たち一人一人の命はかけがえがなく貴重な人生なのだから「今」を大切に生きてほしいと心から思います。
(ひとりごと第1161号)