最近の記事はこちらメニュー

最近の記事はこちら

【2月17日】平和の祭典

公開日
2026/02/17
更新日
2026/02/17

校長のひとりごと

 ミラノ・コルティナ2026フィギュアスケート ペアで、三浦璃来選手と木原龍一選手の日本ペアがフリー世界最高得点を出し、日本勢初の「金メダル」を獲得しました。朝から、二人のフリーの演技をかぶりつきで観た私は、その集中力とノーミスの素晴らしい演技に感動して涙が出てきました。そして、最終演技者が終わり悲願の金メダル。今回、ショートでミスをしてからの大逆転での金メダル獲得は、二人の精神力と強さ、深い信頼関係あってのものだと思います。日本にとってペア競技では、メダル獲得は遠い存在であった中で、諦めない気持ち、とてつもない努力の賜物だと思います。木原さんは、以前のパートナーとペアを解消した後、名古屋市のスケートリンクでアルバイトをしながら練習を続け、そして三浦選手と出会い、ここまでこられたそうです。一緒に働いていた方の話によると、木原さんは、子どもさんと接するときにはしゃがみこんで目線を合わせて接客するなどの気遣いのある姿であり次のように言われていました。

「ナイスガイで好青年。人当たりが柔らかくて誰からも好かれる存在。アルバイトでも中心人物になるような人だった」

 とのことです。二人の出会いは「奇跡」と、今回のインタビューでもお互いに語られていましたし、本当に出会いというのは大切だと思いました。三浦選手、木原選手、金メダル獲得、本当におめでとうございました。そして、感動をありがとうございました!

 さて、今朝の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。


 本紙歌壇に以前、こんな作品が載った。

〈父の戦死にわが生涯は始まりて今朝のテレビに銃声を聞く〉(那須塩原市 野崎征子)

 過去の戦争の悲しみに野崎さんを連れ戻したのは、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻である。北京冬季五輪が幕を閉じたばかりで、日本勢過去最多の18個のメダルに沸いていたのを思い出す。

 ミラノ・コルティナ五輪は22日まで。日本勢は開催を数日残して、メダル獲得数の記録更新を現実に引き寄せる活躍を見せるが、4年前を顧みるほど気持ちが落ち着かなくなる。スポーツの喜びと戦争の悲しみが入り交じってしまう。大会中、侵攻当初に世界を連れ戻す出来事があった。スケルトン男子で、侵攻の犠牲になったアスリートの写真をあしらうヘルメットを使おうとした選手である。政治宣伝を禁じる五輪憲章に反したとして失格とされたものの、五輪という平和の祭典の中で追悼したいと願う選手の思いが分からない人はいないだろう。いや、少なくとも一人はいる。クレムリンの大統領執務室で、国の代表選手を送れない五輪をどう思っているだろう。


 大会本部関係者の方々も、幾度も話し合い調整をしながらの最終の判断であったと思います。選手の気持ち、犠牲になりオリンピックに出られなかった人への思いも十分に感じながらの苦渋の決断であったと察します。実際に、今回のことが五輪憲章に違反しているのかという判断は私にはわかりません。しかし、無念の死をとげた選手たちをはじめ家族や関係者、そしてその選手の悔しさや悲しさは計り知れないものだと思います。また、戦争や紛争のせいで、オリンピックに出られない選手たちがいることも事実です。現在行われているオリンピックの裏でそんな思いをしている人たちがいる。そして、今もなお世界中で戦争や紛争が続いている事実を私たちは忘れてはいけないと思います。

 平和の祭典であるオリンピックに出場している選手たちに何度も感動しながら、世界中が平和になってほしいと心から願うのは私だけではないはずです…。


(ひとりごと第1167号)