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【2月25日】水平線

公開日
2026/02/25
更新日
2026/02/25

校長のひとりごと

 昨日で、ロシアによるウクライナ侵攻から丸4年が経ちました。2月22日の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。


 人気バンド「back number」の一員、清水依与吏さんは高校の陸上選手だった。代表曲「水平線」でこう歌う。♪透き通るほど淡い夜にあなたの夢がひとつ叶って 歓声と拍手の中に誰かの悲鳴が隠れている。勝者の感涙があり、陰に敗者の落涙がある。五輪選手の悲鳴にそわそわしながら、閉会を前に4年前の衝撃を思い出さずにはいられない。ロシアのウクライナ侵攻は北京五輪の直後だった。

 ウクライナの犠牲者は7万人に達する。市民はいまも砲弾に怯え、眠れない夜をすごす。侵略を言い繕う正義などないだろう。平穏な暮らしが奪われたのみならず、民族の文化と誇りも傷つけられている。ウクライナ東南部の占領地域では住民の「ロシア化」が進む。子供は侵略者に書き換えられた歴史を教室で教えられている。青空と豊穣(ほうじょう)の黄色い大地を象徴する祖国の二色旗に替え、侵攻してきた国の三色旗を仰ぎみることも強制されている。いわゆる同化政策だ。両国の和平交渉は進展が見えない。平和は海の先に揺れる水平線と似ている。離されてしまえば、近づこうとしてもなかなか手が届かない。


 「水平線」という曲は、コロナ禍につくられました。高校生のインターハイが中止になって悲しくてつらい思いをしている高校生へ向けてつくられたものです。当時、インターハイだけでなく、学校においても様々な行事や活動が中止となり、目の前の子どもたちに何度も悲しい思いをさせました。どうにもしてあげられないもどかしさ、悔しさで胸が締め付けられる思いでした。ですから、この曲を聴いたとき、この歌詞をしみじみと味わったときに、自然と涙が出てきました。

 この中には様々な共感できる歌詞が出てきます。たとえば…

「♪正しさを別の正しさで なくす悲しみにも出会うけれど…」

「♪心は誰にも見えないのだから 見えるものよりも大事にするといい…」

「♪誰の心に残る事も 目に焼き付く事もない今日も 雑音と足音の奥で私はここだと叫んでいる…」

 思うようにいかないこと、納得できないことがたくさんあります。それでもなお、優しさを忘れない、心を大切にする、見えないものにこそ大切なことがある…そして、今日を生きていることへのたくさんの感謝、さらには、「私」というかけがえのない存在…。脚光を浴びる人もいれば、その陰で悲しくつらい思いをしている人もいることに気づく感性…

 世界中の人々が、かけがえのない命を、奇跡で生まれてきた命を大切にする心を決して忘れてはいけないと思います。平和に暮らしている私たちが、いかに恵まれているか…。数分後の命すら保証されていない現実があることを私たちは考えなければなりません。

 これ以上の命と平和が奪われることがないよう、心から願うばかりです…


(ひとりごと第1172号)