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【2月27日】あと2週間

公開日
2026/02/27
更新日
2026/02/27

校長のひとりごと

  2月最後の金曜日です。いよいよ3月となります。3年生の卒業式がいよいよ…と近づいており、私は、何だかさみしいような気持ちとドキドキするような気持ちが入り交じっています。

 今朝の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。


 “学年誌の小学館”と本紙が手を携え、読売KODOMO新聞を発行してから15周年を迎える。3月3日創刊。その翌週に発生したのが東日本大震災である。災害がいかに深い悲しみを社会に落とすか。子どもたちの人生に寄り添うことを念頭にした新聞は、現地の苦悩や混乱を伝えながら、読者の子どもたちの温かなメッセージで記事をつないだ。

 来週号の小学館提供の記念紙面をひと足早く見せてもらった。タイトルは「みんな同い年 2011生まれ大集合クイズ」。この苦難の年にもたくさんのモノ・コトが誕生していた。スマホの普及拡大とともに登場したLINEは、震災を機に電話回線を使わない通信手段として注目された。スタンプの人気が印象に残るものの、「既読」表示に大切な意味があった。安否確認の機能を兼ねて考案されたという。ほか、新幹線はやぶさ、九州新幹線の全線開通、ニンテンドー3DS。自治体非公認ながら、ご当地キャラブームを引っ張った「ふなっしー」。

 3.11。地震当日に誕生した赤ちゃんの報が希望になったのを思い出す。その子たちも来月、中学の卒業を迎える。


 2011年のあの日。大野城市の学校はもちろん、私が当時勤務していた学校も卒業式でした。ほっとしている頃に、信じられないような映像が飛び込んできました。パニック映画で見るような、信じがたい映像の数々でした。日が経つにつれ、その被害の大きさを知り、遠くにいる私たちですら、複雑な気持ちになり胸が痛くなりました。自分はここにいていいのだろうか? 何かできないのだろうか…と考える日々でした。多くの方々が、ボランティアとして現地に入り、救助や復旧、復興にあたられました。スポーツの世界でも、絶望を希望に変えるようなことも起きました。

 たとえば、「なでしこジャパン」のサッカーワールドカップ優勝。決勝戦前、当時監督であった佐々木さんは、選手たちに被災地の惨状をスライドで見せ、「誰のために戦うのか」を再確認させました。強豪アメリカ相手にリードされても何度も追いつき、粘り強く戦った彼女たちの姿は「日本はまだ終わっていない」「諦めなければ道は開ける」というメッセージにもなっていたのだと思います。

 被災地・仙台を本拠地とするプロ野球「楽天イーグルス」の嶋基宏選手は、2011年4月29日、震災後初の公式戦のときにこんな言葉を伝えました。

「本日はこのような状況の中、球場に足を運んでいただき、ありがとうございます。3月11日に発生した東日本大震災により、多くの尊い命が失われました。心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。正直、野球をやっていていいのか、迷いもありました。しかし、今、こうして野球ができることを、本当にありがたく思います。当たり前に野球ができていた日常は、決して当たり前ではありませんでした。

僕たちは野球選手です。野球でしか、この思いを伝えることはできません。ですが、野球には人の心を動かす力があると信じています。東北は必ず復興します。そのために、僕たちは全力でプレーします。最後まであきらめず、ひたむきに戦います。がんばろう東北。見せましょう、野球の底力を!」

 この言葉、特に「見せましょう、野球の底力を!」は、映像でも何度も観ることになりました。そして、楽天イーグルスはエース田中将大投手の不敗神話とともに球団史上初の日本一となりました。最終回に田中投手が登板し、優勝を決めた瞬間の球場全体の凄い歓声と涙を忘れることはできません。どれだけの人に勇気を与えたことか…。

 そして、世界中からの温かい支援もありました。台湾からの200億円を超える義援金、米軍による大規模な救難・復興支援活動である「トモダチ作戦」、そして、海外メディアは、パニックにならず、お互いを思い助け合う日本人の姿を「誇り高い」として報じ、私たち日本人としての誇りと自信を取り戻す力にもしてくれました。たくさんの感動的なエピソードが生まれました。

 日本人って素晴らしい! 人間って素晴らしい! 私はそう思いました。そして、当たり前に感謝すること、どれだけ人に支えられて生きているかを肝に命じること、どんなに苦しくてもきつくても諦めないこと、そしてどんなにきついときでも、人としての優しさと誇りを失わないことなどを教えていただきました。

 そんなたいへんな時に生まれた中学3年生の子どもたちの卒業式です。何だか改めて感慨深いものがあります。子どもたちとともに、教職員一丸となって、そして保護者や来賓の方々にも祝福していただき、「最高の卒業式」にしたいと思っています。卒業式まであと2週間…心を込めて、一日一日を大切に過ごしたいと思います。


(ひとりごと第1174号)