【3月4日】「笑顔一灯」
- 公開日
- 2026/03/04
- 更新日
- 2026/03/04
校長のひとりごと
浦田理恵さんによる夢講座…。感動しすぎていまだに興奮が収まりません。事務局の草野真樹さんと一緒に来られたときから、溢れる優しさやその人柄が伝わってくるような笑顔、気遣いに心から感動しました。そして、自身の経験に基づくお話は、胸に染み渡り、最後には心が温かくなるものでした。浦田さんの言葉からいくつか紹介します。
■皆さんは今日をどう過ごしますか? 私は笑顔で仕事場に入ることをいつも心がけています。もちろん、体調がすぐれなかったり、叱られてイヤな日もあります。でも、そんな時でも今日一日をどう過ごすかは自分で決めることができます。
■目の見えない私が、こんな風にステージの上でも動けるのはなぜだと思う? それは「準備力」なんです。この講演の前に、草野さんと一緒にここには何があって、何歩進むとステージの端になり、真ん中はだいたいこれくらい…と確認をしていたんです。自分の一歩は75cmとわかっているから、ここの距離はだいたいどれくらいってわかっているのです。当たり前に見えてる皆さんは、一歩がどれくらいかわかっていなくても、そんな準備しなくても大丈夫だと思いますけどね…
■私は、準備してイメージしないと生きていけないのです。だから、工夫して、努力してまわりのサポートがあれば生きていけるのです。人間は83%は視覚を使って生きている。目の見えない私は残りの17%をどう考えるかが大事なのです。たった17%と思うか、17%もあると思うか…
■私は目が見えないことを2年間も家族にももちろん周りの人にも言えませんでした。「手伝って」も言えませんでした。見えるふりをしてごまかしてきました。そして、引きこもりました。そうするといよいよ見えない自分、できない自分に絶望しました。「私とか生きとっても意味がない…」、そう思うようになりました。そんなときに、いつも母親からの連絡がきました。「ちゃんとごはん食べてる?」「教員採用試験は?」…。言えばきっと親は悲しむやろうな…。どうせ、いつかはわかる…どうしよう…。
そして、「死んで親を悲しませるくらいなら、言おう!」と決心し、22歳のお正月、西鉄電車に乗って実家へ帰られます。見えないことを知ったお母さんは、駅の改札口で泣き崩れて、そのあと言われた一言が「ごめんね…。あなたを目に見えないような子に産んで…」。誰のせいでもないのに、母親に「ごめんね」を言わせている自分は何なんだろう…。それでもお母さんは「なんでもっと早く言わんかったとね。これから一緒にできることを探していこう!」と言われ、自分の居場所があると知りほっとされる浦田さん。一方、お父さんは、「帰ってこんでよか。福岡で頑張れ!」と。これはお父さんの優しさだったと知ります。「甘さ」をみせるのではなくわが子の将来を考え、前に進むために背中を押す本当の優しさ…。すなわち、実家にいて甘えていたらこの子のためにならん、何にもできない子になってはいけない、という親心を知ります。そんな素敵なご両親に背中を押され、支えられながら一歩を踏み出されます。そして、その中で出合ったのが、「ゴールボール」。ゴールボールで大切なことは3つ。「勇気」「思いやり」「コミュニケーション」です。アスリートは「心・技・体」と言いますが、一番大事なのは「心」ですとも話されました。そしてこんな言葉も…
「できるかどうかなんて、やってみなきゃわかんないでしょ? チャレンジした先には「成功」か「成長」があるの。失敗は、その途中にあるだけ。そこから一歩踏み出せばいいの」
最後に、こんなメッセージを伝えてくださいました。
「心が強くなければ、心が豊かでなければ、技術も体力も育たない。こうなったらどうしよう…ではなく、しっかりと準備をすることが大事。それを繰り返していくことが自信に繋がる。そんな努力を地道に積み上げていくことで世界一にもなれる。金メダルは、スポーツだけではないよ。何でもいいの。自分のやりたいこと、何でも…。それでも、頑張り方がわからないって人がいるでしょう。そんなときは子どもの頃を思い出して! だって、生まれた時から歩けた人いないでしょ? 最初から自転車に乗れた人、いないでしょ? ころんでも頑張り続けたから乗れるようになったでしょ? できると信じて一歩ずつ積み重ねていく。皆さんならきっとできます! だって聴く姿勢もこんなにいいし、礼儀も挨拶も素晴らしいみんななら、きっとできるから…今日は、一生懸命聴いてくれてありがとう」
浦田さんの心のこもったメッセージは、私たちの心に深く深く刺さりました。心があたたかくなりました。終わってから校長室でも、
「素敵な子どもたちですね。いろいろな学校に行かせていただきましたけど、大野東中の子どもたちは本当に素晴らしいです。あんなに素敵な子どもたちに出会わせていただいて本当に感謝しています」
浦田さん、草野さんがそろって言ってくださいました。来られた時からずっと涙が止まらなかった私…。来ていただいて心から感謝です。そして、子どもたちのことをあんなにも褒めてくださって、そのことがまたうれしかったです。本当に本当にありがとうございました!
(ひとりごと第1177号)