【3月10日】時忘れじ
- 公開日
- 2026/03/10
- 更新日
- 2026/03/10
校長のひとりごと
今朝の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。
エッセイストの海老名香葉子さんは東京大空襲で戦災孤児になった。当時は11歳。自身は疎開していて無事だったが、両親ら家族6人を一夜にして失った。一家は仲むつまじく、海老名さんは近所の人たちの人情にも包まれ、明るく育っていた。約10万人の命を奪った大空襲が幸せを悲しみに変えた。その体験をつづる『うしろの正面だあれ』(1985年)は関連本を含め50万部以上が刊行されてる。大空襲から81年になる3月10日をむかえた。上野公園ではきのう、海老名さんが私財を投じて建てた慰霊祭と母子像「時忘れじの塔」の前で式典が開かれた。この塔の名前こそ、海老名さんがもっとも大事に考えてきたことだろう。戦争の残酷さとともに平和の尊さを忘れないために。戦争は過去のことではない。イランやウクライナなどで続いている今、戦時体験を語ってきた人々の声が宝物のように思えてくる。終戦の日、ふたつの原爆の日、沖縄戦の終わった日、それに加え日本各地にそれぞれ空襲の惨禍を伝える日がある。海老名さんは昨年末に92歳で永眠した。時忘れじ。今年の式典からは遺言である。
明日は東日本大震災から15年目を迎えます。大地震と津波によって多くの尊い命を奪った大震災。生きたくても自然の猛威によって奪われた命…。それなのに、人間が人間の命を奪う戦争や紛争が続いている現実…。どうして人間はこんなにも愚かなのか。奇跡で生まれたかけがえのない命や家、幸せを奪い合う…。
時忘れじ…
命の尊さ忘れじ…
今日はもちろんのこと明日は、改めて、命の大切さ、かけがえのない人間の大切さについて考える一日でありたいと思います
(ひとりごと第1182号)