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【3月17日】いまから…

公開日
2026/03/17
更新日
2026/03/17

校長のひとりごと

【3月17日】いまから…


 今日は小学校の卒業式でした。私は大城小学校の卒業式に参列させていただきました。コロナ禍、小学校の入学式が行われなかった子どもたちです。そんな子どもたちへの門出を祝う素敵な黒板アートが玄関に飾られていました。これは、大城小学校で学校運営協議会委員をされている主任児童委員の堤さんという方が、大城小の5年生の子どもさんと一緒に作成されたそうです。右側の「卒業おめでとう」とともに左側には、「大城小学校に入学してくれてありがとう! あの日の分もおめでとう!」と書かれています。この言葉は平井校長先生が大城小のお別れ集会で6年生に送った言葉だそうです。温かい言葉、そしてとても時間のかかったであろう思いのこもった素晴らしい黒板アート…。たくさんの祝福を受けながら今日、大城小学校を巣立っていった子どもたちは、卒業式でも立派な態度、心のこもった返事、素敵な歌や呼びかけでした。この子どもたちが4月から大野東中に入学してくれて、現2年生・1年生と一緒にさらに素敵な大野東中学校をつくってくれるのだろうと思い嬉しくなりました。大城小6年生の皆さん、そして、大野東小・大野北小6年生の皆さん、そしてすべての卒業生の皆さん、ご卒業、本当におめでとうございました!


 さて、致知出版社の『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』、理学博士・佐治晴夫さんの「あなたのこれからがあなたのこれまでを決める」からです。


 僕は松下幸之さんにお会いしたことがあるんです。東大物性研究所に研究費をいただいておりまして、学位を取得できたお礼の挨拶に伺いました。その時、ひょんなことからこうおっしゃるんです。「いまが辛いということは過去が楽だったということやな」と。僕は生意気盛りでしたから、この言葉の対偶(たいぐう:対になっていること)となる命題、「過去が楽でなかったということは、いまが幸せだということになるのではないでしょうか」とお答えしました。

 「それ数学かいな」と笑われていた姿が懐かしく思い出されますが、そのことから考えても、人生のどの時期が試練なのかははっきり定義できないんですね。非常に嫌な出来事があったとしても、それをくぐり抜けてよくなったとしたら、それは試練というよりよい体験ということになります。

 では、失望を希望に変えるにはどうしたらよいかというと、壮大な希望を先に灯すのではなく、小さな希望でもいいからそれをすぐ目先に灯し続けることが大切だと思います。自分は小さなきっかけでどうにでも変わっていくものなんです。数学ではこれをカオスと言いますが、人生にはカオス的な要素があります。だから、どういう状態になっても諦めるという結論を出さないことです。カオス的であるからこそどうなるか分からないし、何らかの解決策はあるものです。それを時間軸で考えると、過去に死んでしまいたいと思うほどの出来事があったとしても、そこで死んでしまっていたらその人の今はないわけです。こうして生きているからこそ、未来に向かって希望を持つこともできる。そうやって努力を重ね、よき未来が拓けるとしたら、悪かったと思っていた過去の価値が全く変わってしまうことになります。僕はこのことを、あなたのこれまでがあなたのこれからを決めるのではなく、「あなたのこれからがあなたのこれまでを決める」と表現しているんです。これからの歩み方次第で過去の価値はいかようにも変えられる。大切なことは何かを始めるによい時期、悪い時期というのはないということですね。思い立った時が最良の時間なのだと思います。「いまさら」の“さ”を“か”に替えて、「いまから」ですね。


 結局は、考え方、心の持ちようよいうことですね。

 偉大な功績、社会に多大な貢献をされてきた方々は皆、様々な失敗や挫折、困難を乗り越えてこられているということ、そしてその困難や苦労、失敗を乗り越えていくことが、成長であり、成功に繋がっているとおっしゃいます。さらには、それらのことを「困難」とも思わず、前向きに立ち向かっていかれたと聞きます。しかし、それは私たちすべての人間にあてはまることだと思います。自分自身もきつかったこと、苦しかったこと、辞めたくなるくらいつらかったこと…それらを、たくさんの人のおかげで乗り越えてきたからこそ、今があります。苦しいことがあるから楽しく嬉しいと感じることができます。また、当たり前が、いかに有り難いかを何度も実感してきました。

 ですから、「いまから」でもできることを「いまさら」と思わず、最後の最後まで粘り強く取り組んでいきたいと思います。自分のかけがえのない命を精一杯に使って、だれかの命を喜ばせられるように、志をもって進んでいきたいと思います。

 今日、巣立った小学6年生の皆さんも「いまから」です。子どもたちの未来がますます輝いていきますように…。


(ひとりごと第1188号)