【10月3日】もやしの話
- 公開日
- 2024/10/03
- 更新日
- 2024/10/03
校長のひとりごと
今朝の校門での挨拶運動に行くと、生徒会役員の子どもたちが何かしらの紙を配っていました(写真)。「何を配っているの?」と聞くと、『今日は美化コンクールがあるので、みんなへ、そのお知らせと協力のお願いをしようと配っています!』と答えてくれました。取組をよりよくするために、自主的に考え行動(実行)する。子どもたちの自主性が育っていることにたいへん感心しました。本当に素晴らしい子どもたちです!!
さて、西日本新聞のコラム『春秋』からです。
物価の優等生、食卓の救世主、最後のとりで。もやしは、ずっとそんなふうに持ち上げられてきた。1袋数十円で栄養価が高く、シャキシャキおいしい。物価高が続く最近はスーパーで売り切れていることもある。近年、もやしは危機的状況に陥っている。〈安さばかりを追求していては、もう続けていけない。生産者の窮状をご理解ください〉。全国組織、もやし生産者協会(東京)は2年前、新聞に全面広告を出した。協会によると、この30年でもやしの原料となる緑豆の輸入価格は4倍以上になり、生産者は550社から93社に激減した。光熱費の高騰もあり利益は上がらず、廃業が相次いでいる。9月下旬、福岡市内の学校給食からもやしが消えた。年間90トンを購入してきた唯一の市内の業者から「廃業する」と突然、市に連絡があった。市の担当者は業界の苦境も踏まえつつ、適正な価格で契約してきたという。当分はニンジンやタマネギなどで代替し、市内の業者と交渉中だ。
詩人の長田弘さんは「もやしは天才である」とエッセイに書いた。いかなる経済動向にも左右されないもやしを「どんな状況にも、値段ともいえないような最安値を誇って譲らない」とたたえた。値段ともいえない安さに甘え過ぎていたのだろう。野菜炒めにちゃんぽん、鍋物からもやしがもし消えたら。値上げラッシュは痛いが、もう少し高くても存続のためならばと思う。
先日、「10月からの値上げが2911品目で2024年最大」との報道があっていました。値上げは買う方からすれば喜ばしいことではないですが、材料費や光熱費の高騰、人件費、円安…など様々な影響で仕方のない部分があります。
もやしは、「数十円」どころか、「十数円」とか「8円」とかで売っていることもありました。ちゃんぽんや焼きそば、野菜炒めなどに入っているもやし、もやしのナムル…様々な料理で活躍の美味しいもやし。それがこんなにも窮地に追い込まれていることを私は知りませんでした。
コロナ禍でたくさんの飲食店が店を閉めざるを得ない状況がありました。そして最近でも飲食店だけでなく、様々なお店が気づくと取り壊されなくなっていることがあります。消費者からすれば少しでも安くていいものを…そして販売する側の方もできるだけいいものを安く…と企業努力されています。私たちもそのことを理解しながら、こういうおいしいものがなくなっていかないように考えなければいけないのでしょうね。今回もたいへん勉強になりました。